1年を豊かに生きるには「哲学」体験が必要だ 「ハッ!」とする経験が思考を高めてくれる

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2018年を飛躍の年にするために、哲学者の教えを学んでみるのもいいかもしれません(写真:Sergey Nivens / PIXTA)
「毎日、何のために仕事を頑張っているんだろう?」「私の人生、本当にこれでいいのかな?」「この人と、この先ずっとうまくやっていけるんだろうか?」現代を生きる中で、私たちはさまざまな葛藤や不安、悩みに直面します。
哲学者の教えをまとめた『まいにち哲学』では哲学者の言葉が366日分詰まっており、日めくり感覚で楽しむことができます。著者の原田まりる氏が2018年の三が日に「ハッ!」とする体験を届けます。

哲学は人間の本質に迫った学問

「すべての学問の母である」と言われる哲学の歴史は約2500年。少し古くさいイメージがあるかもしれませんが、「人間の本質」に迫った学問なので、いまを生きる私たちにとっても「そうそう!」と共感できる言葉がたくさんあります。

そもそも「哲学する」とは、「ハッ!」とひらめくような経験を通じて「知っていると思い込んでいたことを、別の角度から知る」ことでもあります。

哲学は、数学や科学などの学問と違って「予備知識」がなくても語り合えます。大切なのは、「ハッ!」とする経験を逃がさないことと、自分の頭でじっくり考えることだけ。

哲学者の教えから得たひらめきをもとに、「まいにち哲学」してみてください。

ここからは実際に、3つの哲学者のことばを紹介しましょう。

まずはドイツの哲学者・ニーチェ(1844~1900年)。

「神は死んだ」とキリスト教批判をしたことで有名ですが、ニーチェはニヒリズム(虚無主義)からの脱却を説き、世界に価値を求めるのではなく、自ら価値を創造すべきだというマッチョな思想を展開した哲学者です。

ニーチェ『ツァラトゥストラ(下)』丘沢静也 訳/光文社古典新訳文庫/2011年 (イラスト:ポプラ社提供)

人間はもっとも勇気のある動物です。ニーチェは、人間は勇気によって動物や自然を征服してきたのだと説いています。無気力や苦悩、痛み、他人から向けられる同情を殺すのは勇気。

「これが人生だったか、ならばもう一度!」。ニーチェのいうように、勇気を持てばこそ、私たちは死をも恐れず、前を向いて人生に立ち向かっていけるのです。

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