iPhoneユーザーが苛立つ「速度制限」の正体

これはどれほど深刻なことなのか?

アップルによると、前述のiOS 10.2.1から、iPhone 6シリーズ、iPhone 6sシリーズ、iPhone SEの各機種に対して、この機能を採用した。また、iOS 11.2以降では、iPhone 7に対しても、プロセッサの性能引き下げ機能の適用を拡大したことを認めた。

将来的に、前述以外の製品にもこの機能の拡大を計画しているという。つまり、2018年の後半からは、iPhone 8シリーズやiPhone Xでも、こうしたプロセッサの性能引き下げ機能が有効化される可能性があることを示している。

なぜ批判の的になったのか

アップルは、なぜこの件をメディアを通じて説明したのだろうか。そこには「古いiPhoneの性能を意図的に引き下げ、新機種への買い換えを喚起しようとしているのではないか」との批判を回避する狙いが透けてみえる。

アップルがこの取り組みを始めたのは、顧客体験とデバイスを保護するためであり、あくまで顧客のためを考えて実施したことだと強調している。

それでも、多くの顧客からすると、最新のiPhoneへの買い替えを促すための施策ではないか、という疑いは晴れないかもしれない。その理由は、最新のiPhoneの「価格」にある。

2017年、アップルはiPhoneファミリーの値上げを実施している。iPhone 8シリーズは32GBモデルを廃止し、64GBモデルと256GBモデルの2つの選択肢のみとした。そのため、最も価格の安いiPhone 8 64GBモデルは699ドルとなり、これまでのベースモデルが守ってきた649ドルから50ドルの値上げとなった。また有機ELディスプレイとFace IDを備える次世代型のiPhone Xは999ドルからとなり、日本では10万円以上の価格がつけられている。

2〜3年が経過したiPhoneの性能を制限し、値上げした高いiPhoneの販売台数・売上高を高めようとしている、との批判が上がっても仕方がなかったのかもしれない。

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