大阪・ミナミが「アジア人」で大混雑する理由 もはや異国! データで読み解く「大阪の今」

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実は、ビックカメラなんば店では菓子類が最近の売れ筋の1つとなっている。店頭では、「キットカット」などのチョコレート商品や「コロロ」のようなグミ系商品を山積みしている。

大阪観光局の調査でも、訪日客が大阪で買ったものは、洋服や化粧品を押さえ菓子がトップになっている(図表⑥)。

売れ筋商品の変化の背景には、ネットで情報を発信するブロガーの存在も大きい。ここ数年、日本に関するブログの記述が急激に増えている。 

特に、台湾人はネット情報に対する感度が高く、中国人や香港人もネット情報を頻繁に利用する。実際、大阪観光局の調査によれば、訪日客が旅行前に使用する情報源は「SNSやネット」が圧倒的に多い(図表⑦)。

地元住民に支障のケースも

インフルエンサーと呼ばれる影響力のあるブロガーが発信すると、その商品情報が瞬く間に広がる。どの商品に、いつ火がつくかわからないため、販売店では売れ筋商品の見極めがより重要になっている。

訪日客の増加はミナミにとっては恩恵ではあるが、キャリーバッグを持ち歩いて周遊する訪日客が多く、地元住民が歩行に支障を来すこともある。「大きなキャリーバッグを2つもガラガラと引っ張っている人がいて、通勤の際に迷惑している」(難波のオフィスで勤務する男性)。

「今のミナミは訪日客だらけ。どこに行っても大混雑しているので、最近は避けている」と話す大阪の住民もいる。ミナミが地元住民からも愛され続けるための課題は決して少なくない。

梅咲 恵司 東洋経済 記者

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うめさき けいじ / Keiji Umesaki

ゼネコン・建設業界を担当。過去に小売り、不動産、精密業界などを担当。『週刊東洋経済』臨時増刊号「名古屋臨増2017年版」編集長。著書に『百貨店・デパート興亡史』(イースト・プレス)。

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