大阪・ミナミが「アジア人」で大混雑する理由 もはや異国! データで読み解く「大阪の今」

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こうした複数の要因から、多くの訪日客がリピーターとしてミナミを訪れている。三菱総研による関空から出国した訪日客に対する滞在期間調査では、韓国や香港、タイなどのアジア人は日本での滞在期間のうちのほとんどを大阪で過ごしていることがわかる(図表④)。

最初は団体客として訪日し複数の観光名所を巡った外国人が、最近はミナミで周遊することを目的にLCCを使って個人で再訪している行動が浮かび上がる。

心地よい大阪流のサービス

訪日客の急増を好機ととらえ、企業は需要の取り込みに力を注ぐ。代表的なのは百貨店だ。大阪に店を構える百貨店の売上高は今年1月から10月まで10カ月連続で前年同月を上回った。浮き沈みを繰り返す東京の百貨店とは対照的である(図表⑤)。

「大阪流の人情味があり、温かみがある接客サービスが、アジア人にとって心地よいのでは」(百貨店業界関係者)との見方もある。

難波にある高島屋大阪店は今年3~9月までの免税売り上げが前年同期と比べて1.8倍を記録。毎日、開店する10時前には訪日客が30~50人ほどが並んでいる。キャリーバッグをいす代わりにして座って待ち、開店と同時に化粧品やベビー用品売り場に殺到する。

同店は2017年9月から、店内の案内を4カ国語対応にした。11台だった免税カウンターも11月から18台に拡張した。

家電量販店も訪日客の集客に尽力する。ビックカメラなんば店は10月の免税売り上げが前年同月比40%増と、単月で過去最高を更新した。「かつてはカメラや炊飯器が人気だったが、最近はステンレスポットやドライヤー、電動歯ブラシなどが売れている。布団クリーナーは売り場に並べていたら、あっという間に売れていく」(同店の村田泰大副店長)。

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