イオン社長が漏らした「アマゾンへの危機感」 EC売上高1.2兆円を目指すが道のりは険しい

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
イオンでは2015年から総合スーパーの大型改装に着手。地域ごとの特性に合わせた専門性の高い店舗作りを推進してきた(編集部撮影)

EC戦略の加速に向けて、投資の方針も改める。従来はリアル店舗向けの投資が中心だったが、IT・デジタル・物流に比重を移す。それら3分野の投資額は過去3年間で約2000億円だったが、今後3年間は5000億円に増やす。さらにその先は1兆円の投資も辞さないという。

屋台骨であるリアル店舗の改革も継続する。グループ内に10社以上ある食品スーパーは北海道、東北、首都圏など7地域を単位に統合し、各地域でのトップシェアを狙う。総合スーパーについては、衣料品や住居関連品の専業会社を設立し、消費者ニーズにきめ細かく対応することを目指す。

「組織の若返り」が必要

「ネットによる価格破壊がどんどん進む」(岡田社長)ことを念頭に、低価格商品をそろえるディスカウントストア事業も強化する。現在、4000億円規模の売上高を将来的には1兆円超に持っていく方針だ。

ただ、それぞれの事業についてより具体的な取り組みを問われた岡田社長は、ライバル勢を意識したのか、「そこまで言いたくない」と詳細は語らなかった。

説明会の最後に岡田社長は、「組織の圧倒的な若返りが必要だ」と強調した。2018年度には、経営者選抜のための人事評価システムを導入する。人事が社員一人ひとりを評価する方式を改め、各人の能力と成果をデータベース化。より客観的に次代の経営者を選ぶ方針だ。岡田社長はEC事業を軌道に乗せ、世代交代の道筋を見出せるか。

中山 一貴 東洋経済 記者

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

なかやま かずき / Kazuki Nakayama

趣味はTwitter(@overk0823)。1991年生まれ。東京外国語大学中国語専攻卒。在学中に北京師範大学文学部へ留学。2015年、東洋経済新報社に入社。食品・小売り業界の担当記者や『会社四季報 業界地図』編集長、『週刊東洋経済』編集部、『会社四季報』編集部、「会社四季報オンライン」編集部、『米国会社四季報』編集長などを経て2023年10月から東洋経済編集部(編集者・記者、マーケティング担当)。「財新・東洋経済スタジオ」スタッフを兼任。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事