イオン「数値目標なき改革」で問われる本気度 総合スーパーに加え、グループ再編も焦点に
4月、ある土曜日の朝7時。「イオン葛西店」4階にスーパーとは思えない光景が広がっていた。書籍コーナーや旅行グッズ売り場の周りを運動着姿のシニア客が腕を振って歩いているのだ。
7時15分になると、耳慣れた音楽が聞こえてきた。ラジオ体操だ。同じ階にあるフィットネスクラブ「3FIT」のインストラクターによる指導の下、20人ほどのシニア客が汗を流す。中原宏平店長は「4階で散歩や体操をしてからカフェでコーヒーを飲み、下の階で買い物をして帰るコースが定番」と語る。
同店は改装によってシニア向けのサービスや品ぞろえに特化した店舗に生まれ変わった。2016年12月には4階に1周約180メートルの散歩コースを設け、開店を以前より2時間早い7時に改めた。「客数は4階が2割、店舗全体でも1割増えた」(中原店長)。
東戸塚ではファミリーに特化
改装で特定の分野に特化した店舗になったのは葛西店だけではない。周辺にファミリー世帯が多く住むイオンスタイル東戸塚(神奈川県横浜市)は、3階を丸ごとキッズ・ベビーの専門店にした。高級住宅街にあるイオンスタイル碑文谷(東京都目黒区)にはクラフトビールを楽しめるバーや、米国で流行中の野菜を小さく刻んだチョップドサラダの売り場などを設けた。
イオンが2013年以降に改装した総合スーパー(GMS)は160店に上り、北海道と九州、沖縄を除く全店舗の約半数に当たる。2020年までに全店を改装する計画だ。
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