新アプリ「日テレNEWS24」は何がスゴイのか 気になるニュースをワンクリックで頭出し

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「ネットで自由に映像を観たいのであれば、ビデオ・オン・デマンド(VOD)でもいい。とはいえ、自分が観たい動画を探してタップするのは煩わしい。一方でテレビの報道番組には、特別な目的意識がなくとも情報を整理して捉えられるように”編成”がされている。番組の最初に重要なニュースがあり、そこから重み付けなどから編成の順番が決められている。ライブでは、単に流しているだけでも新しい気付きがあるよう制作している」(宇佐美氏)

常に時間軸に制約を受けてきたテレビだからこその番組制作ノウハウを活かしている、というわけだ。受け身で映像を観ている中で気付きを得るテレビならではのコンテンツの作り方と、自ら積極的にコンテンツを探すネット的な操作。その両方を実現したのが今回のアプリと言えるだろう。

そのコンセプトを、もっともよく表している機能がある。それはニュースのシェア(共有)機能だ。放送されているニュースを観ながら、特定トピックについて何か発言したい。そう感じて発言しても、それを見た人は同じニュースを観ることができない。

”放送とはそういうものだから仕方がない”が従来の常識だったが、このアプリを用いれば発言を見たフォロワーに対してトピックを伝える映像のスタート地点に誘うことができる。

「ネットの良さ、放送の良さ、それぞれにある良さをかけ合わせ、より価値あるニュースを自由に楽しんで欲しい」(宇佐美氏)

系列局も含む形で前進できるか

なお”放送”という枠組みで考えるとき、ニュース報道のネットワーク系列が別途存在する。たとえば日テレの場合「NNN」のブランドで、系列の地方局も含めた報道ネットワーク化が行われているが、今回のアプリは名称からもわかる通り日テレのCS番組を元にした単独配信だ。

これに関して宇佐美氏は「ネットワークに参加している地方局にも承知していただいた上でサービスを提供している。地元に密着したニュースや情報のニーズは大きいため、将来的には、今回の仕組みを各地方局が提供するアプリへと組み込んで使ってもらえるようにしたい」と話す。

系列局も含む形で前進していけば、ニュースアプリとしての価値は一層高まることになるだろう。

本田 雅一 ITジャーナリスト

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ほんだ まさかず / Masakazu Honda

IT、モバイル、オーディオ&ビジュアル、コンテンツビジネス、ネットワークサービス、インターネットカルチャー。テクノロジーとインターネットで結ばれたデジタルライフスタイル、および関連する技術や企業、市場動向について、知識欲の湧く分野全般をカバーするコラムニスト。Impress Watchがサービスインした電子雑誌『MAGon』を通じ、「本田雅一のモバイル通信リターンズ」を創刊。著書に『iCloudとクラウドメディアの夜明け』(ソフトバンク)、『これからスマートフォンが起こすこと。』(東洋経済新報社)。

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