懸案の少子化対策が一気に前進した真の理由 木原誠二・小泉進次郎、「2兆円の核心」を語る

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――3~5歳児ではすべての子どもの幼稚園、保育所、認定こども園の費用を無償化すると明記したのは画期的です。ただし、待機児童の解消を優先するべきとの声もある。

小泉:「待機児童対策のほうが優先順位が高いじゃないか」という声に対して正確に事実をお伝えするとすれば、「待機児童対策を無償化よりも先にやる」だ。実際に予算措置を含めて、待機児童対策のほうが先に進んでいる。

これまでもすでにやってきたし、32万人分の受け皿をつくるということでは、5年でやるはずのものを3年でやる。そのあとに来るのが幼児教育無償化だ。なので、「待機児童対策のほうが先だろう」という言葉のとおりにやっている、というのが事実だ。これは説明不足もあるので、これからきちんと説明していきたい。

――なぜ、疑問や批判が出てくると思いますか。

小泉:自民党に対するイメージもあると思う。自民党はあまり子育てに力を入れているというイメージがなかったと思う。それが一気に進んでしまったので、ズレているんじゃないの?と思われている部分があると思う。

それと社会全体で子どもを支えるっていう、その考え方自体が「本当に自民党なのか」と思われているのかもしれない。僕もこの話をいろんなところで講演ですると、「小泉さん、そういうこと言っていて党内で反発はなかったんですか?」ってよく聞かれるんですね。「いや、それが驚くほどない。僕自身も自民党が変わったなって思う」という話をよくしている。

細かい部分はあえて詰めなかった

――「一義的には家族の自助」とあえて記している点は、そうした意見に気を使っているのでしょうか。

木原 誠二(きはら せいじ)/衆議院議員、自民党「人生100年時代戦略本部」事務局長代行。1970年生まれ、東京都出身。東京大学法学部卒業。財務省を経て、2005年に初当選。外務大臣政務官、外務副大臣、党政調副会長などを歴任。著書に『英国大蔵省から見た日本』(文春新書)などがある(撮影:今井康一)

小泉:いや、そうではない。一義的には家族、というのは僕は当然だと思う。だけど、家族の自助だけに教育や保育を任せきることが現実的なのかって言ったら、今の社会はそうではない。だから社会全体で支えましょう、という順番だ。

2兆円の政策パッケージは中身が固まっていない部分もあるので、来年の大きな課題は理解を得るためのキャッチボールだ。この2兆円のパッケージが固まりかけているところで、新聞やネットメディア含めて議論が盛り上がり始めており、これは歓迎すべきことだ。やっぱり盛り上がらなかったら前に進まないから。その中でいちばんいい形を肉付けていけるかどうかがこれからの勝負だと思う。

木原:今回政府も、それからわれわれ自民党も非常に賢明な判断をしたと思う。こうした政策は細部の細部まで詰めたくなる。短期間ですべて決めないと格好悪いと考えがち。しかし、今回は認可外をどうするのか、上限はいったいどういうふうに設定するのか、補助金の出し方はどういうルートでどうやるのか、という細かいことは詰めていない。

魂は細部に宿るのでいちばん大切なことだが、無理やり決めるのではなく、来年夏までにじっくり議論しよう、と。これは、逆に言うと国民の皆さんの声、しっかりこう聞きましょう、ということだ。この道を自ら選べたのは、政策の決定としても非常によかったなと思う。

小泉:今、木原先生言ったのはすごく大事なこと。政治のやるべきことは、決めることだ。決められない政治はダメだって、僕らも民主党政権時代に相当言った。だけど今回のこのケースに対しては今、木原先生が言ったみたいに、決めた部分と決めきらなかった部分っていうのがある。その意図的に決めきらなかった部分がキャッチボールののりしろだ。これが実はすごく大事で、これが自民党的知恵だ。

国民の声を受ける、その度量。遮二無二自分たちはこうやって決めたからこうなんだ、と押しつけはしない。政治が何でも理解しているっていうのはありえないわけで、現場の声を聞かなきゃいかん。そののりしろをちゃんと取っておいた。

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