懸案の少子化対策が一気に前進した真の理由 木原誠二・小泉進次郎、「2兆円の核心」を語る
――12月8日、教育無償化など2兆円規模の政策パッケージが閣議決定されます(取材は5日)。ここまでの流れをどのように評価していますか。
木原:よくここまできたなと思う。衆院選の公約でパッケージというものが出てきて、選挙後に詰めの議論で私もお手伝いをしたわけだが、そもそも小泉さんたち(小泉小委員会=2020年以降の経済財政構想小委員会)での議論の積み重ねがあったからこそ、この2兆円が出てきた。
なぜここまで来られたのか。今振り返ると、「こども保険」の議論が大きかった。あの議論がなければ、この20年以上繰り返してきた「子育て支援は重要だけど、財源がないからできない」で終わっていた。個人も企業も含めて社会全体で支えあう、負担しあうこども保険の議論があったからこそ、消費税増税分の使途変更で1.7兆円、プラス企業の負担0.3兆円という2兆円パッケージができた。
他方で、やり尽くした感はない。今回、「働き方改革」や多様な生き方というところは、十分カバーできていない。さらに子育てのところについても、中身の議論はこれからだ。どういう教育をする必要があるのか、質をどう確保していくのか、といったような議論は夏に向かってしっかりやっていきたい。
少子化対策はつまるところ財源論だった
小泉:僕の感想も木原先生と同じ。今年3月にこども保険の提言がなかったら、今のような教育関係の議論は起きなかった。消費税の使途変更という形もなかったと思う。そもそも、なんであのこども保険の話が出てきたか。日本の最大の課題の1つは少子化。少子化対策をやる必要性は誰もがわかっている。何しろ今まで少子化対策担当大臣の数だけでも10人以上おり、そのたびにさまざまな議論がされてきた。
だけど、どんな議論をしても、つまるところ財源論だった。そこで生まれたのがこども保険という考え。その投げた球による波紋が今の状況を生んでいる。今年3月にこども保険の提言が出て、政府の「骨太の方針」に入ったのが6月。このスピードは画期的。この速度は、連続的な発展ではなく、本当に飛躍的、跳躍のような発展だと思う。これこそ政治の中における大きなイノベーションだ。
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