セブンが「次世代コンビニ」に詰め込んだ狙い 現場の負担軽減をどのように実現するのか

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12月6日の千代田二番町店の開店前セレモニーには世耕弘成経済産業相(中央)も出席した。一番右はセブン-イレブン・ジャパンの古屋一樹社長(撮影:大澤誠)

こうした次世代モデル店舗に取り組む背景には、コンビニ店舗における作業の増加がある。

すっかり社会インフラ化したコンビニでは今、さまざまなサービスを利用することができる。裏を返せば、現場での仕事量が多くなっているということだ。レジの会計や商品の発注・陳列はもちろん、公共料金の支払い受け付け、チケットの発券や総菜の調理などコンビニの業務は多岐に渡っている。

現場の負担増加が深刻化する中で、セブンの本部としても何らかの手を打つ必要があると判断し、今回の次世代モデル店舗の開店を決断した。「今回の取り組みは打ち上げ花火的にやっているつもりは一切ない。ほぼ全国展開可能だという裏付けをもってオープンした」(大橋尚司・建築設備本部長)。

ローソンは無人レジに取り組む

ローソンはスマートフォンで決済できる実験を2018年春をメドに首都圏の数店舗で実施する(撮影:大澤誠)

現場の負担軽減、生産性の向上という意味では、競合のローソンも省人化の取り組みを進めている。

同社は12月4日にさまざまなテクノロジーを詰めこんだ実験施設を公開。2018年春からは首都圏の数店舗で午前0時~5時までレジを無人にして、スマートフォンで決済する実験を始める。店員は商品の整理や納品などに集中できる。

セブンでは今年春から日販(1日当たり1店売上高)の向上策として、レジカウンターの拡大や米飯・チルドケースの増設など店内のレイアウトの変更を進めている。新レイアウトは2021年度までに既存の1万店および新店に導入する計画となっている。セブンとしては日販の向上と同時に、今回の取り組みによって現場負担の軽減を両立させていく構えだ。

コンビニ業界では消費者ニーズの変化をとらえ、さまざまな商品やサービスを提供することで成長を遂げてきた。その一方で、現場の仕事量は増加の一途をたどっている。利便性を高めながら、現場負担をどのように軽減するか。今回のセブンの取り組みは1つの試金石となりそうだ。

常盤 有未 東洋経済 記者

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ときわ ゆうみ / Yuumi Tokiwa

これまでに自動車タイヤ・部品、トラック、輸入車、楽器、スポーツ・アウトドア、コンビニ、外食、通販、美容家電業界を担当。

現在は『週刊東洋経済』編集部で特集の企画・編集を担当するとともに教育業界などを取材。週刊東洋経済臨時増刊『本当に強い大学』編集長。趣味はサッカー、ラーメン研究。休日はダンスフィットネス、フットサルにいそしむ。

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