会社員の「副業願望」を軽く見てはいけない ついに厚労省も容認に動き出す

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職場環境の見直しに取り組まざるをえない時代になってきた(写真:Ushico / PIXTA)

今後、副業や兼業を認める企業は増えていく

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ついに副業・兼業を活用した働き方が加速する時代になるのでしょうか。朝日新聞の記事によると、厚生労働省が副業・兼業をしやすくするため、企業が就業規則をつくる際の参考として示している「モデル就業規則」を見直す方針を固めたとのこと。

そもそも、常時10人以上の社員がいる会社は労働基準法の規定により「就業規則」を作成し、所轄の労働基準監督署長に届け出なければならないとされています。就業規則を変更する場合も同様に届け出なければなりません。そこで例示されているのがモデル就業規則ですが、「許可なく他の会社等の業務に従事しない」との項目を削り、

・勤務時間外に他の会社等の業務に従事できる

といった内容に差し替える案を示しました。

モデル就業規則に法的拘束力はありませんが、これを参考に就業規則を作成する会社は多く、モデルの改定で副業や兼業を認める企業が増えることが予想されます。こうした見直しを喜ぶ声は会社というよりは、働く社員たちから聞くことができます。筆者が取材した、大企業に勤務している若手社員は、

「友人が立ち上げたベンチャーの手伝いを正式にできるのでうれしい」

と語ってくれました。実は以前から会社には内緒で手伝いはやっていたようです。普段は経理部で仕事をしていますが、友人の会社は立ち上げたばかりで経理に精通した人材が不在。社員を1名雇うくらいの仕事はないものの、会社運営で支障をきたす状態になっていました。そこで週に3~4時間くらい友人の会社を訪問して、経理業務の手伝いをしていました。ただ、その仕事に対して報酬はもらっていませんでした。会社にばれることを恐れていたからです。

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