セクハラに泥仕合…保育園JPHDで巨大内紛 臨時総会で創業者と現社長が全面衝突

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山口氏も一歩も引かない。「JPHD株主の会」を立ち上げ、株主に支援を要請する手紙を送付。さらに第3者委の報告など、会社側の一連の公表について「事実誤認の開示を行われたので、名誉毀損でその正当性を法廷で争っていく」とJPHDを提訴した。

創業者兼社長として絶大な権力を振るった山口氏におごりはなかったのか(撮影:2004年、尾形文繁)

山口氏は東洋経済の取材に対し、代理人を通じて「私が創業者として取り組んだガバナンスの土台構築が十分ではなかったということといえます」と反省はするものの、「私は今、会社の経営を離れ、一株主として様々な会社の情報に接する中で、今の会社の現状を招いた原因は、取締役会に『経営の規律』と『株主に対する緊張感』が足りないからではないかと考えるにいたりました」とする。

創業家側が過半数を抑える

山口氏らによると、総会前日の21日の時点で「総議決権の過半数を大幅に超える賛成票を確保できる見通しとなった」。ただ、山口氏が提案する役員任期の変更には定款変更が必要なため、3分の2の賛成が必要になる。勝利を確信するには至っていない。

一方の会社側にとって、総会の結果いかんにかかわらず、山口氏らがJPHD株の35%を握る構図は変わらない。「より多くの株主の皆様に当社の経営方針にご理解ご支援いただけるよう尽力してまいります」(会社側)という。

ただ、山口氏の影響力を排除するためには、大規模な第3者割当増資や、投資ファンドと組んだMBO(経営陣による自社買収)といった“飛び道具”を繰り出す可能性も十分にあるだろう。

そしてもし、両者が和解できなければ、2018年6月の定時株主総会で再び、ぶつかり合うことになる。

こうした経営層の対立が長期化すれば、もっとも迷惑を被るのは、子ども達を日々預かる保育現場だろう。「保育園の運営はJPHDとは別会社ということもあり、今回の経営層の対立をよく理解していない保育士も多いはず」(元社員)。

現経営陣さらに創業者側は、今回の混乱を保育士たちにどのように説明するのだろうか。

松浦 大 東洋経済 記者

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まつうら ひろし / Hiroshi Matsuura

明治大学、同大学院を経て、2009年に入社。記者としてはいろいろ担当して、今はソフトウェアやサイバーセキュリティなどを担当(多分)。編集は『業界地図』がメイン。妻と娘、息子、オウムと暮らす。2020年に育休を約8カ月取った。

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