セクハラに泥仕合…保育園JPHDで巨大内紛 臨時総会で創業者と現社長が全面衝突
会社側は2年半前に山口氏が辞任した経緯について、第3者委に調査を依頼。それに対し第3者委は、株主などステークホルダーの関心は現在の経営状況にあるため、山口氏のみならず、会社の経営に重大な影響を及ぼす範囲までに調査対象を拡大する。
前任と現任のトップ2人がともにパワハラ
11月17日に公表された要点版によれば、第3者委は山口氏が社長だった当時の行為について「会社経営上重大な影響を与える可能性のある(パワー)ハラスメントと認められると認定」。ただ荻田社長についても、ややトーンを落とすものの「パワーハラスメントに該当しうる行為が存在する」と指摘した。
そして「前代表(注、山口氏)にはセクハラと評価される行為があったと評価せざるを得ない」としながらも、「現代表者(注、荻田社長)によるセクハラに該当しえる行為が認められる」とした。
つまり、第3者委は上場企業の前任と現任のトップ2人がパワハラとセクハラを行っていると公表したのだ(ただし、第3者委は荻田氏のハラスメントについて、職場環境を害しているとまでは認められないとしている)。
会社側は防衛に必死だ。第3者委の調査と平行して、従業員から「私たちは前代表、山口さんのJPHDへの関与及び復帰を断固拒否します」との嘆願書を受領したと発表。その中には保育園179園中、173の園長も含まれているという。
同時に、荻田社長は保育士の待遇の大幅改善を実施する。保育士1人あたり最大で年96万円という大幅アップだ。通常保育士の待遇見直しは春に行う。しかも、もともとJPHDの保育士の待遇は、民間保育の中でトップレベル。「この時期にこの上げ幅は、異例の大盤振る舞い」(別の元社員)。ただ会社側は「手当の増額は予算策定時より計画されていた」と、創業者の対立などとは何の関連もないとしている。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら