セクハラに泥仕合…保育園JPHDで巨大内紛 臨時総会で創業者と現社長が全面衝突
ただ、現在山口氏側は「セクハラを認めた事実はない」「あくまで健康上の理由で入院せざるを得なかったため」(同氏代理人)と説明する。
ともかく後任として、社長に就任したのが荻田氏だ。荻田氏は少子化が進む中、首都圏を中心とした現状の待機児童問題は解消すると見て、民間学童クラブや保育園向けコンサルティングなど周辺事業に参入したり、ベトナムなど海外に進出するといった多角化を進めた。
しかし、新規事業の展開や、保育士の賃上げといった費用が重しとなり、2017年3月期は前期比3割減という大幅な減益に陥る。保育士不足で想定の収益を上げられない保育園の減損処理もあり、1株当たりの配当は5円から2.5円に減らしている。
取締役の任期短縮などを要求
こうした状況に山口氏は業を煮やしたのか。2017年6月の株主総会では、山口氏の盟友とされる大株主が、取締役の任期を現行の2年間から1年間に短縮することと、社外監査役選任の提案を提出。両案は否決されたが、特に後者の賛否は僅差だった。
そして9月28日、山口氏が大株主として臨時株主総会を招集する。要求内容は①前回と同様に取締役の任期の短縮、②現取締役1人の解任、そして③山口氏が推薦する旧三菱銀行出身で元東京スター銀行会長だった人物の取締役の就任だ。
山口氏はもともとJPHD株の約27%を保有する大株主だったが、2017年に入ってから株を買い増し、親族などによる共同保有を合わせると、現在35%近い株を保有する。
こうした動きに対し、荻田氏ら会社側は「経営の支配を握ろうとする動き」と警戒心を強める。そして株主提案に反対する形で、山口氏は過去にセクハラ疑惑があり、当社の経営に関与するにはふさわしくないと公表したのだ。
対立の決定打となったのが、会社側が外部の弁護士に依頼して設置した第3者委員会の調査報告書だ。
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