株価暴落「危険なシグナル」の簡単な見つけ方 一般週刊誌の特集を見ていれば分かる!

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本当に高値圏にあるときは、まずこういう声は聞こえてきませんし、聞こえてもわずかです。

「今回だけは違う」という言葉が頻繁に出たら要注意

それより高値圏で頻繁に出てくる声は、「今回だけは違う!」という言葉です。天井が近づいてくると、「今までとはまったく流れが違う、環境も様変わりしたし、政策も力強い。今回だけは違う! 未曾有の大相場がやってくる」と言う人が増えてきます。

逆に、下落相場のときは「今度だけは違う! 売りはこれからも広がり、当分相場は下げ続ける。早く売っておかないと大変なことになる」といった具合です。

おもしろいことに、これは日本に限った話ではなく、アメリカでもTTID(This Time Is Different)と言って、同じように極端な上昇や下落が続く場面では必ず出てくる言葉のようです。カーメン・ラインハートとケネス・ロゴフという2人の米国人経済学者が『This Time Is Different』という本を出しています(日本語版『国家は破綻する――金融危機の800年』は、2011年3月出版)が、その中でこれは過去のバブルや金融危機の都度、繰り返されてきた言葉であると紹介されています。

「普段、株式には関心のない人や縁のないメディアがしだいに関心を高めて取り上げるようになる、そして『今回だけは違う』という声がよく聞こえてくるようになる」

私の40年以上にわたる相場の経験から、高値のときにはいずれもこうしたサインが登場し、早い遅いの違いはあってもそこからあまり間を置かずに大きな下落に向かっています。

今のところ、まだそういう声は聞こえてこず、むしろ警戒感が出ていますから、相場の格言でいう「もうはまだなり」という段階なのでしょう。

テクニカルやファンダメンタルな分析からの判断だけではなく、こうした人間の素朴な感情と行動が意外と的確な判断につながるということも忘れないことが大切です。

大江 英樹 経済コラムニスト、オフィス・リベルタス代表

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おおえ ひでき / Hideki Oe

大手証券会社で25年間にわたって個人の資産運用業務に従事。確定拠出年金ビジネスに携わってきた業界の草分け的存在。日本での導入第1号であるすかいらーくや、トヨタ自動車などの導入にあたりコンサルティングを担当。2003年から大手証券グループの確定拠出年金部長などを務める。独立後は「サラリーマンが退職後、幸せな生活を送れるよう支援する」という信念のもと、経済やおカネの知識を伝える活動を行う。CFP、日本証券アナリスト協会検定会員。主な著書に『自分で年金をつくる最高の方法』(日本地域社会研究所)、『知らないと損する 経済とおかねの超基本1年生』(東洋経済新報社)などがある。

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