米国の「小さな不安」が日本株急落につながる あまりに無警戒だった市場に怪しげな兆候

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日本株急落の危険な兆候が出てきた(写真:y.h-to / PIXTA)

「9日の波乱」は何を意味しているのか

日経平均株価は、11月9日(木)の日中に一時2万3382円をつけた。だがその後急落。10日(金)には9日の安値も一時下回り、2万2511円まで下落した後、結局2万2681円で前週を終えている。

先行きの相場展望については、前回10月30日付のコラム「それでも日本株は『年内急落』の可能性がある」と変わりはない。つまり、年内では日経平均は下押しし、場合によっては2万円割れになる可能性が高いと懸念するが、2018年は再度上昇相場に転じ、来年の高値は今年より高いだろう、というシナリオだ。

そう考える要因は、前回網羅したので繰り返さない(是非前回のコラムをご参照ください)。だが、ひとことで言えばこうだ。日本国内では特に悪材料が見出しにくいものの、日本株の相場付きは日経平均先物の海外投機筋の買い上げによるもので、脆弱さをはらんでいる。このため、米国発の悪材料で米株安・米ドル安が生じた場合に、日本株は脆さを露呈する、といったものだ。

それを踏まえて、9日の日経平均の動きを振り返ってみよう。この日の日経平均は、前出のようにザラ場で一気に2万3382円に達した後、2万2523円にまで急落した。一日の最高値と最安値が800円以上離れた乱高下だった。この急落の背景として、一部のプログラム売買を行なう資金が、機械的に先物に売りを出した、と言われている。

「これまでの国内株価の上昇は、企業業績の改善を評価した『業績相場』であり、海外長期投資家が好業績銘柄を買い進めているためだ」、との解説が多く聞かれる。

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