米国の「小さな不安」が日本株急落につながる あまりに無警戒だった市場に怪しげな兆候

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ところが9日(木)に上院共和党が取りまとめた減税案は、下院案とかなり異なっている。特に法人減税については、2018年ではなく、2019年から実施との案だ。

この背景には、共和党内の財政規律重視派の意向が強く働いていると推察される。今後、上下院で一本化の議論が進み、最終的に上院が下院に大きく譲歩する展開はありえなくはないが、これまで議会審議が難航する可能性を全く無視するかのようであった株式市場も、さすがにスムーズな減税実施を疑問視する声が広がり始めたようだ。

無警戒だった米国市場にも「じわりと怪しい動き」

前回のコラムでも、米国株式や米ジャンク債(低格付け債)といったリスク資産は、無警戒に買われ過ぎであると指摘していた。その買われ過ぎが解消されるきっかけとして、株式については減税策に対する失望を挙げていたが、両市場共通の懸念要因として、米長期国債利回りの上昇を述べていた。これまでの低い長期金利のもとで、長期債で資金運用しても十分な収益が稼げないため、投資家が米国株やジャンク債に資金を移動しており、それが両市場の買われ過ぎを引き起こしているからだ。

ところが米国の10年国債利回りは、10月27日(金)の2.46%から、11月8日(水)に2.30%近辺に低下していたものが、特に金利上昇要因が現れないなか、前週末の10日(金)は、じわりと2.38%に上昇して引けている。

これまでの長期金利が、米国の堅調な経済や連銀の緩和縮小にもかかわらず、低位で推移していたので、特に材料がなくても、長期金利が上方に水準訂正されていくのは、不思議ではない。まだ長期金利が上昇基調に入ったとは断じがたいが、米株式市場では、前週末は、この長期金利の持ち直しを心配する声が聞こえ始めた。

ジャンク債市場でも、ジャンク債の平均利回りと長期国債利回りの差を見ると、週平均値では、10月20日(金)、および同27日(金)の週では、3.4%台前半で最近では低位にあった(米長期国債に対して、ジャンク債が買われていた)。しかし直近の11月10日(金)の週では、3.76%にじわりと拡大している。このため、ジャンク債に投資しているファンドの価格が下落し、それも米株式市場に懸念を広げつつある。

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