外国人投資家がまだまだ日本株を買う理由 相場を登山にたとえれば、今は「何合目」?

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「まだまだ外国人は日本株を買ってくる」と筆者は読む。ある「確信」があるからだ(写真:木村優光/ PIXTA)

前回のコラムでは、次の日経平均株価の目標は1996年6月26日の2万2666円だとした。この株価は立ち直りかけた平成バブル崩壊後の日本経済が1997年の消費税増税で致命傷を受け、真性デフレに陥った直前の高値である。この高値を取るということは、20年前の大失策を20年かけて取り戻すことを意味するとした。

そして、そのためには、劣化している銀行株の立ち直りが必要と書いた。しかし、銀行株など関係なく(もちろん銀行株も買われ始めたが)、好業績株だけで今にも終値で2万2666円を取りそうだ。実際、11月6日は終値ではないものの、日中はあと約22円まで迫る場面があった。

今は、金融相場と業績相場が「並走中」

このような好業績銘柄だけで高値を取る形を、相場循環論では「業績・景気回復相場」と呼ぶ。では今までの「金融・流動性相場」は終わったのかと言うと、出口論は時期尚早と一喝した黒田東彦・日銀総裁の発言で、答えは「ノー」だ。

つまり今の黒田異次元緩和継続の中で2万2666円を抜くということは、金融・流動性相場と業績・景気回復相場が同時に存在することを意味する。

株式市場の長い歴史の中では、金融・流動性相場から業績・景気回復相場に移行するときに、バトンがうまく渡らず、「クレバス」のような深い割れ目に落ちる波乱が何度も起きた。しかし、今回ほど明確に金融・流動性相場と業績・景気回復相場が重なり合った例は、筆者の記憶にはない。予想外の大相場が始まっているのだ。

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