「72時間ホンネテレビ」が示した3つの本質 地上波が失ったものがそこにはあった

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実際、今回の「72時間ホンネテレビ」を通して、再びジャニーズ事務所のスタンスに批判が集まりはじめています。また、番組に参加しなかった芸能事務所はどこなのか。世の人々はしっかり覚えていて、イメージダウンとしてとらえているのです。もしこれまでのように世の人々を侮り続けたら、芸能界のビジネススケール自体が縮小されかねません。

私が「72時間ホンネテレビ」に参加しなかった某芸能事務所のスタッフに話を聞いてみたところ、「とりあえず1回目だし、様子を見てみたようです」と話していました。「とりあえず」が世の人々を侮っている証しであり、それこそが芸能界の危機であることに気づいていないのです。

「進行がグダグダ」でも面白かった理由

3つ目は、テレビ番組の本質。あらためて「72時間ホンネテレビ」で放送された主な企画を振り返ってみましょう。

草彅さんが人気ユーチューバーたちに弟子入りして、おバカ動画を制作。3人で稲垣さんと草彅さんの母校である堀越高校へ行って、高校生たちとCMの「1本満足バーダンス」を踊る。三谷幸喜さんに芝居の作・演出をしてもらい、5分間の生芝居。山崎賢人さんと新宿歌舞伎町、山田孝之さんと原宿でゲリラ撮影。草彅さんがプロレスに参戦して、男色ディーノ選手からキスの洗礼を受ける。クックパッド社へ行き、市川海老蔵さんを交えてキャラ弁対決。SMAPが解散した昨年の大みそかに開かれた食事会の会場で、堺正章さんとホンネトーク。

亀田3兄弟、ホスト、コワモテらと深夜のガチンコ・ゲーム・バトル。多くの芸能人を集めた「早朝男だらけのインスタ映えばえ運動会」。3人でマクドナルドに行き、草彅さんがアルバイトに挑戦。浜松オートレース場へ行き、森且行さんのレース観戦と感動の再会。婚活宣言をした稲垣さんが表参道で、人生初のナンパに挑戦。“カトルド・トランプ大統領”に扮した香取さんがSP役の谷原章介さんと浅草に出没。稲垣さんがナンパに成功した女性と「まさかの結婚式」を挙げる。フィナーレとして「3人だけの72曲生ライブ」を開催。

どれも文字だけで見ると、「本当に面白いのか?」と感じるものばかりですが、大半は「面白かった」「また見たい」という高い視聴満足度を示す声が上がっていました。その理由は、ズバリ「生放送だったから」「地上波バラエティでは見られない映像だから」。

前述したように、グダグダな進行だったり、内容のないトークが続いたりした時間帯もありました。そんなときネット上では、「もし中居くんがいて仕切ってくれたら」という声も上がっていましたが、それは地上波バラエティの感覚にすぎません。確かに中居さんがいたらグダグダ感は薄まり、より見やすく、より笑いが多かったかもしれませんが、その分だけ生放送のダイナミズムは伝わりにくくなっていたでしょう。

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