「だまし面接」が蔓延する、就活現場の裏表 上位校の学生ほど別な名目で呼び出される

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指針はすぐに改定されて、昨年の2017年卒採用からは、現在の6月1日選考スタートになっている。しかし、「だまし面接」は、かなり多くの企業の採用手法として、定着しているようだ。その実態をデータから検証してみたい。

HR総研が今年6月に楽天「みん就」と共同で行ったアンケート調査は、2018年卒業予定の就活生を対象にしており、2,513人が回答している。

まず学生が回答した企業の「内定までの面接回数」だが、3回が最も多く、40%以上という数字になっている。2回が30%前後、1回は10%以下と少ない。これは2016年卒、2017年卒、2018年卒でも、同じ傾向だ。企業側に聞いても、9割が1~3回面接を行っている。

面談、社員懇談会、先輩との交流会・・・

しかしこの傾向を別なデータから検証する必要がある。今年(2018年卒)の就活生に、「他の名目での面接経験」を聞いたところ、「ある」と回答した学生は、文系で63%、理系で64%もいる。

「ある」のは旧帝大クラスに目立ち、文系で86%、理系で80%である。早慶クラスも文系79%、理系68%となっており、難易度の高い大学の就活生の方が比較的多く、「ある」と回答している。学校名など選考条件に合う学生を、企業が別途呼び出す傾向が強いことがうかがえる。

上位校の学生ほど、面接以外の名目で選考に呼び出されており、経団連の指針を気にする大企業を中心に、面接と言う表現を使わない選考が横行していると思われる。内定までの平均面接回数が1回とか2回という企業では、面接という言葉を使わない事前の選考を進めている可能性が高い。

学生を呼び出す名目だが、圧倒的に多いのは「面談」だ。人事との面談だけでなく、「OB・OG面談」「マッチング面談」「リクルーター面談」「社員面談」「人事部長面談」と、会う相手はさまざまである。「役員面談」を行う企業もある。

複数の人間と会うことも多い。「社員懇談会(座談会)」「OB・OG訪問会」「先輩社員との交流会」などがそうだ。社員との懇親会を通じて志望度を上げてもらおうという戦術だろう。同時に学生を見定めるという、”本当の”狙いもある。

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