「だまし面接」が蔓延する、就活現場の裏表 上位校の学生ほど別な名目で呼び出される

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学生を誘う言葉はよく似ている。詳しく書いてくれたコメントを見ると、

「『ESを拝見して、ぜひ会ってお話しをする機会を設けたいのですが、いかがでしょう?』と聞かれた」(旧帝大クラス・文系)
「『企業理解を深めるために会ってほしい』と言われた」(上位国公立大・文系)
「是非直接お会いして、お話しする機会をいただきたい」(その他私立大学・文系)
「人事部長があなたのことをもっと知りたいと言っているから来てくれないか」(旧帝大クラス・理系)

といった声があがる。

工場・研究所見学など理系向けイベントも

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懇談会以外に使われている名目として、「キャリアカフェ」「キャリアマッチング」「ジョブマッチング」などがある。ただ回答を見ると、キャリアやジョブを使った名目は早慶クラスや上位私大、中堅私大の学生から多く寄せられているが、旧帝大や上位国公立大の学生からは少ない。実態はわからないが、私立大の学生にはキャリアやジョブで誘い、国公立大には別のアプローチをしているのかもしれない。

また、理系では呼び出す名目が具体的になり、「工場見学」「研究所見学」「研究者懇談会」「研究者討論会」などが行われている。これらのイベントは、理系学生が企業の技術を理解するうえで、大いに有効だろう。裏で選考が行われていなければの話ではあるが。

いずれにせよ、これらの「だまし面接」はどんな表現を使おうが、茶番でしかない。経団連の指針を守れないのであれば、それを宣言したうえで採用スケジュールを開示し、堂々と採用活動を行えばいい。

楽天やヤフー、サイバーエージェント、ファーストリテイリングなど、通年採用を実施している企業では、現にそうしている。だまし面接は、これから社会に出ようとする若者に対して、企業の表と裏を見せているようなものだ。日産自動車やスバルの無資格者による完成車検査、神戸製鋼所の性能検査データの改ざんにも通ずる、と感じるのは私だけであろうか。

佃 光博 HR総研ライター

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つくだ みつひろ / Mitsuhiro Tsukuda

編集プロダクション ビー・イー・シー代表取締役。HR総研(ProFuture)ライター。早稲田大学文学部卒。新聞社、出版社勤務を経て、1981年文化放送ブレーンに入社。技術系採用メディア「ELAN」創刊、編集長。1984年同社退社。 多くの採用ツール、ホームページ製作を手がけ、とくに理系メディアを得意とする。

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