最後に、その二流っぷりがもろにバレてしまうのが、なんといっても「最後の数秒間に上がるタクシーメーター90円の攻防」であろう。
乗客も運転手も「冷静と自制」が必要
【3】「90円」をめぐる乗客と運転手の暗闇
最近はユーザーの声と技術水準の発達を受けて、あとどのくらいでメーターが上がるのか、サインが出るようになっていることは素直に歓迎したい。
しかしそれでも、二流の運転手さんは最後に牛歩戦術でこの「90円の上乗せ」を確保しようと、往年のプロレスファンなら誰しもがうなずくであろう「ジョー樋口レフェリーの遅すぎるカウント」並みに、ギリギリの微妙な間の伸ばし方で「最後の90円の上乗せ」を狙ってくるのだ。
これに対して、二流の乗客はこの90円の上乗せを避けるべく、まだ目的地に達していないのに「ここまででいいです、降ります」と降りてしまうのだから、開いた口がふさがらない。
なかには、「今、メーターわざと上げただろ‼」などと怒りに火がつき、嫌がらせでタクシー会社に電話をしたりする人までいる。
そういう人に限って、その場でシートを蹴って怒鳴り散らしている「人としての終焉ぶり」がものの見事に録音されていたり、タクシーの中にある小型カメラに完璧に撮影されていて証拠がもろに残っていることも知らずに傍若無人の限りを尽くしたりするのだから、恥ずかしいかぎりである。
私はこのような大騒ぎを繰り広げる、迷惑な二流の乗客および運転手さん双方に「冷静と自制」を求めたい。
「これ、たかだか90円ですよ? 人間的高潔さを示すことに、90円を使われてはいかがですか?」と。
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