飲食店を救う「外国人接客端末」のスゴイ中身

客単価向上を期待できるワビサビナビとは?

左が日本ユニシスファイナンシャル事業部の河村徹氏、右が平城苑銀座店店長の亀渕秀昭氏(筆者撮影)

銀座店店長の亀渕秀昭氏は「外国人スタッフも配置していますが、やはりそれ以上に外国人のお客様が多く、オーダーに時間を取られてスタッフが回らなくなってしまうことがあります」と、外国人客への対応について語る。ワビサビナビについては、本社の方針で9月から導入。まだ目に見える効果は出ていないが、翻訳の精度が高く、メニューをより正確に伝えられそうなことや、単価アップも期待できるのでは、という印象を持っているそうだ。

平城苑の大きな特徴は黒毛和牛、国産牛を一頭買いし、熟成させてから提供するという、肉へのこだわり。産地や肉質についてなどの詳しい説明をしたり、スタッフがその場で肉を焼いて提供することもあるなど、焼き肉というジャンルの中でも接客に重点が置かれている。しかしカタコトの英語だけでは、外国人に質の高い接客を行うことができないのが悩みだった。この点についても、ワビサビナビをもっと役立てたいところだという。

「より詳しい情報提供や単価アップの面では、今のところあまり効果は得られていないんです。というのも、メニューの決定に夢中になってしまい、背景の情報まで詳しく読んでくださらない方が多いためです。メニューの注文数も変わりがないですね。ただ、外国人のオーダーで取られる時間が短縮していることは間違いありません」(亀渕氏)

店舗の「課題解決」に的を絞り対応

もっとも、店で改めてメニューをじっくり読む必要がない、という理由もある。平城苑は「一頭買い」というコンセプトのはっきりした店だからか、機会来店ではなく、目的来店の客が多い。これは外国人の客でも同じらしく、店についての情報はそれぞれ独自に調べてくるわけだ。

「それに、特に中国のお客様ですね。滞在時間がすごく短いんです。日本人が2~2.5時間のところ、外国人は1時間です。客単価は同じですから、店にとってはありがたいお客様ではあるのですが」(亀渕氏)

また自動注文でなく、スタッフと客が直接やり取りして注文を受けつける点も「逆に助かっている」という。

「外国の方の場合、1人前の量がイメージできなくて、たとえば同じメニューばかり10個ぐらいオーダーリストに入っているなど、注文が明らかにおかしいときもあるんですね。また、サンチュにくるんで食べるという食べ方も、説明しないとわからない方もいらっしゃいます」(亀渕氏)

現在の平均客単価は8000円。充実したタブレットメニューによって、サイドメニューであるピザや一品料理にも目を向けてもらい、客単価を500円でもアップするのが目標だそうだ。

これまで導入したレストランのなかには、たとえば船やバスの発着場が近くにあり、発着時間に合わせて一気に外国人が大量に店内に入って来る、という店もある。そういった店では、外国語に対応できるスタッフや、そもそも店舗の人員が限られていることも多い。そのため、ワビサビナビが非常に役立っているという。さまざまなインバウンド向けサービスのなかでも、このワビサビナビは日本の店舗の「課題解決」に的を絞っている点で、普及・定着していきやすいと言えるかもしれない。

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