UUUMの原点は「YouTuberのお悩み解決」だ 話題の新興企業トップにロングインタビュー
鎌田:それが起業の1カ月前くらいのことでした。2013年の6月に起業したんですが、ユーチューバーにレビューしてもらった商品を販売する、今でいうインフルエンサーマーケティングのような事業をやるオンセールという会社を作ったんですね。佐俣アンリさん(VC・ANRIのパートナー)に出資してもらって1000万円で始めて、ジャパネットたかたみたいな会社を目指そうと思っていました。それで3カ月やってみたんですが、なんだかいまいち手応えを感じることができませんでした。
ただ、ユーチューバーたちと仕事をする中で、みんないろいろなことに困っていることがわかったんです。企業と仕事をするようになっても、商談をどうやって進めたらいいかわからないとか、「代理店から『法人じゃないと契約できない』と言われたんだけど、法人なんてないです」とか。単純に困っている人がいたら助けたいじゃないですか。僕は光通信で総務も営業も経験してきたので、彼らをサポートすることができると思ったんです。それでアンリさんからまた調達させてもらって、その年の10月からユーチューバーのマネジメントを始めました。
社名を決めるときも…
小林:その最初の段階からHIKAKAINさんとは一緒にやっていたんですか?
鎌田:そうですね。HIKAKINの最初のマネジャーは僕です。社名を決めるときも、HIKAKINが「ドットコムのドメインが取得できる社名がいい」と言っていていろいろ検討したんです。でもなかなかいい名前がなくて「うーむ……」って悩んでいたら、「『ウーム』でよくない?」みたいな感じで決まったんです(笑)。
小林:なるほど。事業を始めてみて、初期の段階から売り上げは立っていたんですか?
鎌田:最初はMCN(マルチ・チャンネル・ネットワーク:複数のYouTubeチャンネルと提携し、収益化などを行うサービスプロバイダ。YouTubeによる認定資格が存在する)の権利もないし、アドセンスから売り上げが入ってくる仕組みもなくて、ただ楽しいからやっているといった状態でした。困っている人がいたら助けるし、僕自身も動画を見るのがとにかく好きなので、動画を作っている人に会えたら楽しいしって感じで。