UUUMの原点は「YouTuberのお悩み解決」だ 話題の新興企業トップにロングインタビュー

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2017年8月30日にマザーズへ上場したUUUM

今や、小中学生のなりたい職業ランキングで上位に君臨するようになった“YouTuber”。彼らがのびのび活動できるよう、日々、さまざまなサポートをするのが“MCN(マルチ・チャンネル・ネットワーク)”と呼ばれる事業者です。そのMCNの中で、日本におけるパイオニアとして業界を牽引してきたのがUUUM社です。「クリエーターマネジメント事務所」「動画コンテンツ事業者」「インフルエンサーマーケティング企業」と、さまざまなアングルを持つ同社の可能性について、鎌田和樹社長にお伺いしていきます。

当記事はシニフィアンスタイル(Signifiant Style)の提供記事です

UUUM株式会社は2013年の創業以来、HIKAKINをはじめとする数多くの人気YouTuberを中心とするクリエーターをサポートしながら、さまざまなコンテンツを世の中に発信。YouTube上の広告収益の一部をYouTubeから受領するアドセンスと、顧客企業の商品やサービスを紹介する動画を制作・公開する広告によって収益化している。2017年8月30日にマザーズ上場。資本金6億3886万円、社員数172人(2017年9月時点)。

「ヤバいかも!」と感じたHIKAKINとの再会

小林賢治(シニフィアン共同代表。以下、小林):この度は上場おめでとうございます。ユーチューバー(YouTuber)のマネジメントを行う御社の事業は、日本ではまだ十分には知られていませんが、そもそもなぜこういった事業に取り組もうと考えられたのですか?

鎌田和樹(UUUM株式会社代表取締役。以下、鎌田):僕は19歳から10年くらい光通信に在籍していました。そのうちの後半は、携帯電話の販売をしていたんですが、その時にHIKAKIN(注:UUUM社に所属する、国内チャンネル総登録者数No.1のユーチューバー。同社のファウンダーでもある)に出会っているんです。会社のイベントでヒューマン・ビート・ボックスをやってもらったんですね。

光通信での仕事は順風満帆でした。順風満帆すぎてなんだかやる気がなくなってしまうくらいだったんです。そんな時に、孫泰蔵さんから「起業したら」と言われたんです。それまでは起業したいと思ったこともなかったんですが、ほかに取り立ててやりたいこともありませんでしたし、「起業してみてもいいかな」くらいに思って、どんな会社がいいか考えてみたんです。

そんな時にたまたまHIKAKINと再会する機会があって、何をしているのかと聞いたら、「ユーチューバーやってます」と言われたんですね。当時はまだユーチューバーなんて何やってるかわからない怪しいやつらととらえられていましたし、僕も最初は怪しいなと思いました。でも、さらに聞いてみると「シンガポールでエアロスミスのスティーブン・タイラーと共演した」と言うんですよ。それで「ユーチューバー、やばいかも」って思ったんです。

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