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北朝鮮・金一族が元山で描く仰天の生き残り策 「観光」と「兵器」で生き残ろうとしている

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元山は、金王朝において象徴的な重みを持つ。正恩氏の祖父で、北朝鮮建国の立役者となった金日成(イルソン)主席が、日本による植民地支配が終わった1945年に、国の支配権を奪うため当時のソ連軍とともに上陸を果たした地だからだ。

波止場には金日成氏と金正日(ジョンイル)総書記の親子2代の指導者の像が立ち、観光客は礼をして、プラスチックの造花を買ってささげることになっている。国営メディアによると、金一族の別荘に隣接する松濤園国際少年団キャンプ場は、旧ソ連圏諸国から「若き先駆者」を何十年も受け入れてきた。

正恩氏は、正日氏の後継者に選ばれた2009年時点で目立った功績がなかったと、韓国産業銀行で北朝鮮調査の責任者を務めるKim Young-Hui氏は言う。建国の父の金日成主席に縁の深い元山開発に成功すれば、偉大な建設者としてのイメージを確立することができる。

故郷におおむね良い思い出

「彼(正恩氏)には、元山を開発する強力な政治的動機がある」と、Kim氏は言う。Kim氏自身元山の出身で、2002年に脱北した。

元山出身者は、脱北者でさえ、故郷におおむね良い思い出があると語る。元山のカラオケバーやビリヤード場には、北朝鮮の他の町に比べ、電力が安定供給されていたと、彼らは言う。海辺の広場では、若いカップルがローラースケートで遊んでいたことを覚えている人もいる。

元山は正恩氏の心に特別な位置を占めている。そう語るのは、カナダ人コンサルタントで、北朝鮮で経済調査などを行っている白頭文化交流社を運営するマイケル・スペーバー氏だ。同氏は2013年、正恩氏と一緒に元山の海でジェットスキーを楽しみ、正恩氏のプライベートな船で一緒にカクテルを味わっている。

「彼は、人々のために街全体を再開発して改善し、外国人観光客やビジネスマンを呼び込みたいと語っていた」

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【ベルトをきつく締めなくても】

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