北朝鮮・金一族が元山で描く仰天の生き残り策 「観光」と「兵器」で生き残ろうとしている

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2011年に最高指導者となった正恩氏が継承したのは、表向きは軍が支配しているものの、実際には人々が主に闇市場の取引でどうにか生活している社会だった。

北朝鮮は、公式には社会主義経済の国だが、実際には北朝鮮国民10人中7人が生きるために個人取引に依存していると、2016年に韓国に亡命した北朝鮮の太永浩(テ・ヨンホ)元駐英公使は述べている。

外からは全権力を握っていると思われている正恩氏だが、北朝鮮の自由市場の商人の存在により、目に見えるよりももっとぜい弱だと、太氏はロイターに語った。

軍と市場の両方を利用

正恩氏は生き残るため、軍と市場の両方を利用する方法を模索している。

核兵器は同氏の答えの1つである。北朝鮮が保有する従来の重火器よりも維持費がかからないことを期待しているからだ。元山開発のようなプロジェクトもまた1つの答えである。軍への資金配分を減らし、民間経済により多くの資金を分配したいと考えている。

「社会を管理し長期政権を保証するのは、経済において役割と影響力が増したときだけだと、金正恩氏は知っている」と太氏は言う。

北朝鮮は近いうちに年間100万人以上を、また、「近い将来には」年間約500万─1000万人の観光客を呼び込みたいと、元山開発への投資を募るパンフレットには記されている。プロジェクトを監督する北朝鮮の国家機関、元山地区開発総会社はコメント要請に応じなかった。

訪朝者に関する最新の統計はない。中国は、2012年に23万7000人超の中国人が北朝鮮を訪れたとしているが、翌年には統計発表をやめてしまった。一方、2016年には800万人の中国人が韓国を訪問している。

韓国のシンクタンク「韓国海事研究所」の試算によると、北朝鮮の観光収入は年間約4400万ドル(約49億円)で、同国の国内総生産(GDP)の0.8%程度。また、北朝鮮への外国人観光客の約8割が中国人で、残りは西側諸国とロシアからの訪問客で占められるという。

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