朝ラッシュの大手私鉄「全国一」遅い列車は? 一見「ノロノロ」でもちゃんとワケがある

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そして第1位に輝いた(?)のは、阪神本線(元町―梅田・32.1km)の普通列車。所要時間88分、表定速度は21.9km/hであった。なぜこれほど時間がかかるのかに関しては、やはり「関西大手私鉄」朝のノロノロ運転ランキングで述べたが、途中の御影、西宮で7分、尼崎センタープール前、千船で6分など長く停車し、優等列車との接続や通過待ちなどを行うからだ。

「遅い列車」に見えるダイヤの工夫

しかも同線は朝ラッシュ時、6時台~8時台の間は直通特急と普通がほぼ5分ごとに交互に発車している。つまり、早く遠くの駅まで行きたい乗客には決して負担をかけない、実に効率よいダイヤを組んでいる。「遅い」といっても、単にノロノロ走っているわけではなく、ダイヤの工夫の結果なのだ。

「遅い列車」といっても、優等列車を速く走らせるための通過待ちや接続のためだったり、あるいは数多くの列車を走らせて輸送力を増すためだったりと、各社・各線によってさまざまな理由が存在する。

調べれば調べるほど、各鉄道会社それぞれの乗客のニーズに合わせ、利便性よく運ぶ工夫をしているかがわかる調査であった。

東良 美季 ライター

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とうら みき / Miki Tohra

1958年生まれ。カメラマン、音楽PVディレクター、グラフィックデザイナーを経て現職。共著に『新幹線、国道1号を走る』(交通新聞社新書)。

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