田園都市線に「座れる通勤ライナー」は必要だ 「時差Biz」臨時特急に見た着席列車の可能性
首都圏をはじめとする大都市圏の通勤ラッシュの緩和は、鉄道利用者(旅客)、鉄道事業者、そして沿線自治体など多くのステークホルダーの願いである。
鉄道事業者はラッシュに対応する車両や施設への投資、またはラッシュ対応要員の配置などの形で多大なコスト負担を強いられている。また、混雑による列車の遅延も常態化しており、顧客満足度の低下につながりかねない。特に混雑の激しい路線・時間帯において、すべての旅客を混雑から解放するのは事実上不可能である現状に対して、首都圏および関西圏の鉄道事業者は着席ニーズをビジネスチャンスととらえて、有料着席保証列車の運行を拡大させている。
田園都市線に臨時特急!
一方、東京都は「満員電車」そのものの解消に力を入れている。企業や鉄道事業者、鉄道を利用する人たちと一斉に取り組むことが重要であるとの問題意識の下、「時差Biz」と銘打ったキャンペーンを約260の企業・団体と連携して7月25日まで実施した。約260の企業・団体が参加して時差出勤やテレワークなどに取り組んだほか、鉄道事業者もポイントやクーポンの贈呈、臨時列車の運行などでキャンペーンに協力した。
「時差Biz」キャンペーンの中で大きな注目を集めたのが、東京急行電鉄(東急)田園都市線中央林間駅→東京地下鉄(東京メトロ)半蔵門線押上駅間に、7月11日から21日の間の平日に運行された臨時特急「時差Bizライナー」である。
東急ホームページに掲載された情報によると、中央林間駅6時04分発、渋谷駅6時43分着、押上7時15分着の時刻で運行され、渋谷到着8時台の準急電車と比べて長津田駅→渋谷駅間の所要時間を約13分短縮し、オフピーク時間帯に短い所要時間で都心に向かうことができるとの触れ込みであった。
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