田園都市線に「座れる通勤ライナー」は必要だ 「時差Biz」臨時特急に見た着席列車の可能性

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駅に掲示された「時差Bizライナー」のポスター(撮影:小佐野景寿)

東急田園都市線は都心と中央林間駅の間で小田急線と競合関係にあるが、小田急には特急ロマンスカーでゆったりとした空間の中で着席したまま移動できる選択肢がある一方、東急田園都市線は中央林間駅から表参道駅、永田町駅、大手町駅など東京都心へのダイレクトアクセスに強みを有する。

しかし、朝ピーク時の田園都市線の混雑は首都圏でも屈指のレベルであり、たとえ着席できたとしても立席の人たちからの圧迫感は相当なものである。無論立席の人たちの苦痛は言うまでもない。

そこで、東急は東京都の「時差Biz」と連動した「グッチョイモーニング」(「グッチョイ」とは「よい選択」という意味である「Good Choice(グッドチョイス)」の短縮形として東急が命名)と総称するキャンペーンを展開して、早朝時間帯の利用促進による混雑緩和を目指すことにしたのである。

高かった利用者の関心

11日の運行開始初日に、中央林間駅から乗車してみることにした。中央林間駅に到着すると、すでに鉄道ファンが多く詰めかけていただけでなく、「時差Bizライナー」について係員に尋ねる一般の旅客もちらほら見られ、関心の高さがうかがえた。出発時刻が近づくにつれて、2番線には「時差Bizライナー」を待つ行列ができた。列車入線後、筆者は8号車に乗り込んだ。

「時差Bizライナー」押上行き(列車番号:中央林間→渋谷045062、渋谷→押上A645K)は全員着席の状況で中央林間駅を出発した後、7分ほどで長津田駅に到着した。多くの旅客が乗車し、座席の争奪戦となって立席が発生した。次の停車駅であるあざみ野駅出発時点でも車内にはかなりのゆとりがあったが、同駅からの乗車では着席は不可能であった。田園都市線内最後の停車駅である溝の口駅では一定の乗降があったが、8号車の乗車率は100%前後で、旅客同士の身体が触れ合うことは皆無であった。

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