日本バスケ界の至宝、24歳富樫勇樹の頭の中 Bリーグで躍動、東京五輪に向け語ったこと 

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ポイントガードのポジションは「コート上のコーチ」とも呼ばれ、ゲームを作る存在だ(撮影:佐藤主祥)

――日本とアメリカを経験して、日本の良さとはどう感じていますか。

どうですかね。バスケに関しては日本の良さを見つけるのが難しいですね。

どのレベルでもアメリカの方が上だと思いますし、トレーニング方法、練習施設も向こうは十分に整っています。スキルトレーニングも含めてアメリカのバスケが強い理由がわかります。

短時間でいかに集中して練習できるかが重要

――勝手なイメージですが、日本の良さとして日本人はマジメに練習に取り組む勤勉さといったことはないのでしょうか。

それが良いこともあるのですが、日本人の課題として、「コーチの言ったことしかできない、クリエーティブがない」といったことにつながっていると思います。アメリカに行くと自己主張の使い分けや限度も必要ですけど、自分でいろいろと(シュートだけでなくパスやドリブルなど試合を)クリエートしていく部分ではアメリカの方が上だと思います。

逆を言えば、日本の場合は正直なことを言うとメリハリがないですし、高校の部活でだらだらと長時間練習をしていることだってあります。メリハリの部分については、アメリカとすごく差を感じたので。1時間半なら1時間半と決めて、集中して練習に取り組んでいました。

――現在、千葉ジェッツのPG(ポイントガード)をしていて司令塔としての役割はどのように感じていますか。

司令塔としてリーダーシップをとるという部分で、外国人選手とは積極的にコミュニケーションを取るようにしていますね。自分が思っていることを明確に伝えて、意見交換を大事にしています。とはいえ、周りのみんなが思うほど、細かく考えてバスケをしているわけではないですよ(笑)。

――Bリーグが昨年始まって、選手として自分自身の見せ方が変わったということはありますか。

Bリーグが始まったとかはあまり関係ないです。チームの上層部からは見出しに残るようなコメントを期待されますけど、僕は変に自分のキャラクター作りとかはせずに、ありのままでやれば良いと感じています。  

僕は、アメリカにいたからというのもあるかもしれませんが、普通にキツイこと言いますし、(メディアに)ネガティブに書かれることだってありますからね。差別とかはもちろん駄目ですけど。アメリカの選手たちは年上の先輩選手に対して、「あの人は全然うまくない」とか普通に言いますもん(笑)。

ただ、多くの日本人選手はそういうことを言わないですし、マジメに「チームのおかげで勝てた」と柔らかい感じで言いますよね。そこがアメリカと違うところで、日本の場合は細かく見られすぎている部分があります。スポーツマンシップがどうとか、一つひとつの言葉に細かく反応しすぎだなと思うところはあります。

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