ラスベガス乱射で露呈、高級ホテルの「盲点」 接客業界のセキュリティ体制はゆるいまま

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ホテルチェーンによっては、施設内での銃器に関する方針を設けているところもある。たとえばヒルトンが管理するホテルでは、館内での銃器所持は禁止しているという。ハイアットはチェーンの一部のホテルでのみ、ゲストが許可を得ている、弾の充塡されていない銃を持ち込むことを認めているが、「保管目的のみ」という制限を設け、つねに銃器コンテナに保管しておかなければならない、としている。

「とはいえ、セキュリティチェックポイントがなければ、どんな禁止体制だろうと強要するのは難しい」と、弁護士で、ヒューストン大学ホスピタリティ学部教授であるスティーブン・バース氏は話す。

現場の訓練ができていなければ意味がない

一方、ニューヨークのトライベッカ地区にあるグリニッチホテルの警備部長で、元ニューヨーク市警刑事のグレン・カニンガム氏は、つねに武器を所持し、警戒を怠らないようにしているという。

同氏は、すみずみまで見張っているのだということを印象づけるために、実際に稼働しているカメラと、「見せかけ用」のものを取り混ぜて設置し、ホテル内に防犯カメラを張り巡らせている。そして、ベル担当者を「防犯の最前線に立つ、歩くビデオテープ」と位置づけ、絶えず新しい情報を報告するよう命じている。ホテルの従業員たちも、悪質な銃撃犯に対してどう対応すべきか訓練を受けているという。

「彼らには、ホテルの室内でワイヤやドラッグ、あるいは、一見ばかげていると思えるようなものであっても、不審物を見つけたら報告するように言ってある」と、カニンガム氏は話す。

警備コンサルタントのシーガル氏も、現場で働く人々がきちんと訓練されていなければ、いくら防犯対策をしても意味がないという。同氏によると、高級ホテルは、防犯カメラシステムに平均して約50万ドル、最新機能のドアロックと消化システムにはさらに多くの資金を投入している。

だが、「カメラだけで銃撃犯を阻止できたことなど1度もない」と、シーガル氏は指摘している。

(執筆:Tiffany Hsu記者)

© 2017 New York Times News Service

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