乱射事件続く米国で銃規制はどれだけ進むか 軍用の半自動小銃規制めぐり最高裁が判断へ
米連邦最高裁判所は今週末までに、コネチカット州による軍用の半自動小銃規制を取り消すよう銃所持擁護派が申し立てた件について、判断する予定だ。こうした銃は12日にフロリダ州のナイトクラブで発生した恐ろしい乱射事件や、2012年にサンディフック小学校(コネチカット州)で起きた乱射で使われたものと同じタイプだ。
最高裁は2008年、コロンビア特別区(ワシントン)の当時の銃規制が合衆国憲法修正第2条(人民の武装権)に違反しているとの判決(ヘラー判決)を出している。銃擁護派は、乱射が容易で、かつ検知されにくい特徴を備えた半自動小銃を禁じるコネチカット州の法律は、憲法修正第2条に違反するとともに、ヘラー判決にも抵触すると主張している。
しかし、連邦控訴裁判所がヘラー判決を厳密に解釈する傾向がこのところ続いていることからすれば、最高裁は今回のコネチカット州での申し立てを却下する見込みだ。
銃規制はひと筋縄ではないが
米国議会では、大量殺人者がこうした武器を選ぶのを制限する連邦法案が成立するのは厳しい状況だ。こうした中、各地の州や市が個別に銃規制を導入している。
サンディフック事件を受けて銃規制を強化したコネチカット州の法律は昨年10月、特定の案件を管轄する第2巡回区控訴裁判所で承認された。(全米で初めて銃規制を強化した)ニューヨーク州の事例とほぼ同じ流れだ。第2巡回区控訴裁はその際、ヘラー判決や2010年の最高裁判決が「危険で異常な武器」の規制を排除してはいないとの認識を示した。
ヘラー判決後に浮かんだ大きな問題は、危険かつ異常な武器を禁止する州法や地方の法規を評価する際に、裁判所がどのような見直し基準を適用するかという点だった。最高裁は、州や地方自治体が、銃規制法の必要性を証明するため、厳密な調査や、議員が広い裁量を持つ審査を受けるべきかどうかを明言しなかった。
第2巡回区控訴裁、第9巡回区控訴裁、およびコロンビア特別区控訴裁は銃規制法を支持する際に、より緩い標準を採用した。第7巡回区控訴裁は市民が規則にかかわらず十分に自衛できるかどうかに関する独自基準を適用するにとどまり、厳格な審査は採用しなかった。