「寝る前の化粧落とし」を頑張るのは間違いだ その習慣が肌をどんどん壊している

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せっかくなので、お湯洗いで落ちないメイクは、次の日に再利用しましょう。その上からメイク直しの要領で仕上げてください。気になるなら、翌朝にお湯洗いすれば良いのです。

こう説明すると「メイクを落とさないで寝たら枕カバーが汚れてしまいます」と言われることがあります。

ちょっと待ってください。毎日洗顔するのに、枕カバーは洗わないのですか? 汗や油を毎日吸い込む枕カバーこそ清潔第一、こまめに洗うべきです。汚れが落ちなくなった枕カバーは買い換えればいいですが、肌はそうはいきません。

通常の生活サイクルだと、朝メイクして夜落とすとしても、肌が休む時間は12時間ないはず。その短い間に、肌はメイク落としで受けたダメージを回復できません。

実はまぶたの周りなどに見られる色素沈着も、酸化したメイクによるものより、洗浄剤や界面活性剤、そしてこすることなどによるダメージのほうが大きいのです。

長時間メイクしていると肌に悪いというのは、メイク用品の品質が良くなった今、時代遅れの思い込みでしかありません。

そのほかに間違ったイメージでは「きちんとメイクを落とさないと毛穴が詰まる」というものがあります。毛穴からは皮脂がごく少量ずつ排出されています。水道管から常に水がチョロチョロ流れているのと同じことです。脂はいろいろなものを浮かせる作用もあります。そのため、いくら上からほかの汚れなどで蓋をしても、詰まることはありません。

なぜ肌の調子が悪くなるのか?

正しい肌ケアについて学ぶには、まず肌の基本的な構造を理解しておく必要があります。ほとんどの人はこれを知らずに、非科学的なケアを行って肌トラブルを抱えています。肌の構造を理解しておけば、何が肌によくないのか自ずと見えてくるのです。

肌の構造を順を追って説明しましょう。肌はコラーゲンなどでできた弾力のあるマットレス状の層の上に、細胞が石垣状に積み重なってできています。マットレスの部分は真皮といい、皮膚の弾力やハリなどに影響する重要な土台の部分です。その上の石垣状の部分は表皮といい、肌の一番外側で、水分の蒸発や外界からの異物の侵入を防ぐ、バリアの役割を果たしています。

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