3位の味の素に対しては、「学生の専門分野別にブースを設けてくれたため」(京都大学、理系)、「技術職のみを集めた説明会では、実際の研究について詳しく説明してくれてイメージがわいた」(お茶の水女子大学、理系)など、学生の専門分野に応じた工夫が評価されている。
ITサービス産業のトップ企業であるNTTデータ(4位)は、説明会では人が主役のようだ。「技術職希望限定セミナーでは、具体的な話が聞けてよかった」(筑波大学、理系)、「会社説明会に参加した企業の中でも、もっとも多くの社員と情報交換する機会があったため」(長岡技術科学大学、理系)と、社員とのたくさんの出会いが得票につながっているようである。
学生アンケートで「プレゼン」という言葉が出るときは、学生による「企業に対するプレゼン」を意味することが多いが、5位の野村総合研究所では企業による「学生に対するプレゼン」が評価された。「説明会でしか得られないであろう情報が得られたと感じたため。またプレゼンテーションがうまく感動した」(東京理科大学、理系)、「プレゼンがうまかった」(東京理科大学、理系)といった声が挙がる。
文系・理系の両方にランクインする企業も
6位のトヨタ自動車への学生の評価は微笑ましい。「昼食会」(京都大学、理系)、「楽しそうだと感じたから。」(岐阜大学、理系)、「交通費がしっかり出た」(東京大学、理系)という意見が続いた。就活には何かとおカネがかかる。そんな就活生の懐具合を察してくれていることに惹かれるのだろう。
ランキング上位の多くで、文系と理系の両方に顔を出しているのも、「印象のよかった説明会」の特徴だ。今回も、みずほフィナンシャルグループ、日本航空(JAL)、東京海上日動火災保険、サントリーホールディングス、全日本空輸(ANA)、三井物産、花王、SCSK、東海旅客鉄道(JR東海)、アサヒ飲料、伊藤忠商事、旭化成、と、計12社が文系と理系の両方に顔を出している。
ただ、文理両方に登場していても、順位はだいぶ違う。みずほフィナンシャルグループは文系1位だが、理系では25位である。理系の上位企業は文系では外れることが多く、理系6位の東海旅客鉄道(JR東海)は、文系19位である。
そんななかで目立つのはSCSKである。SCSKは住友商事系のシステムインテグレーターだが、SEの文系採用を行っており、文系ランキングで16位、理系ランキングで13位。文理の両方から好印象企業と評価されている。
今回は「印象のよい説明会」を取り上げてみた。学生のコメントを読むと、各社の説明会の様子も見えてくる。就活生はこれからの説明会選びの参考にしてほしい。そして人事担当者は、2019年卒採用の説明会の企画に、各社事例を参考にしてくれれば幸いである。
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