仕事のできない人は決算の読み方を知らない 「説明会資料」でビジュアルに把握せよ

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もう一つ意識したいのは、KPIのような重要指標を過去の数値と比較し、「成長率」を確認することです。図表②を見ると、メディア事業を中心とする広告関連の売り上げの成長率は、前年同期比7.8%増。一方、eコマースの国内流通総額は同15.8%増となっています。eコマースが2ケタ成長であるのに比べ、広告の伸びが鈍いことがわかりますます。

傾向を見つけて「なぜか」と考える

このようにある種の傾向が見つかった場合、重要なのは「なぜか」と考えることです。なぜeコマースの流通総額が伸びているのか。そう考えて資料の別ページを見ていくと、ショッピング取扱高が足元で急伸していることがわかります(図表③)。

(図表③)eコマースのショッピング事業の売上高が急伸

その隣のページを見ると、ヤフーがソフトバンクのスマートフォンユーザー向けに、ショッピング事業で「ポイント10倍」のキャンペーンを行っていることが紹介されています(図表④)。つまりショッピング取扱高の伸びは、ポイント還元策の効果だとわかるのです。

(図表④)ポイント10倍のキャンペーンがショッピングの取扱高増加の理由とわかる

実際、ショッピングの取扱高の伸びは、ショッピング広告の売上高の伸びにもつながっています(図表⑤)。現在のヤフーの成長エンジンの一つであるショッピング事業の好調の背景には、こうした施策があったのです。

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