仕事のできない人は決算の読み方を知らない 「説明会資料」でビジュアルに把握せよ

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会計初心者でもわかる読み方を伝授します(写真:xiangtao / PIXTA)
シバタナオキさんは現在、米シリコンバレーでスタートアップ企業を経営している。2006年から2011年までは楽天に在籍し、当時最年少執行役員も務めた。
シバタさんが楽天時代から現在まで日課にしているのが、企業の決算を読むことだ。その日課から磨いた、会計士などの専門家とはひと味違う自己流の決算の読み方を7月、著書「MBAより簡単で英語より大切な決算を読む習慣」(日経BP社)にまとめ、『週刊東洋経済』(9月9日号、バックナンバー)ではそのエッセンスを掲載した。そこで紹介したことの一つが、決算説明会資料を読むことの効用だ。シバタさんがその具体的な考え方を指南する。

 

私はかつて在籍していた楽天で毎週月曜朝、全社員が参加する全体集会で役員が話題にする業界ニュースやトレンドの「ネタ作り」を任されていました。そこで話のネタに選んでいたのが、ITを中心とする企業の「決算」の話題でした。

『週刊東洋経済』9月9日号(バックナンバー)の特集は「本物の会計力 経済ニュースを深読みする」です。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

企業の決算書を読んで、各社のサービス動向や経営戦略を読み解く。その習慣は、楽天を辞めてシリコンバレーで起業した今も続いています。自身がかかわるビジネスの状況をいちばん簡単に知る方法。それが決算だというのが、私の考えです。

企業の決算を読むというと、まず登場するのが「決算短信」や「有価証券報告書(有報)」といった決算書です。株式を上場している企業には公開義務があり、各社のホームページで閲覧できます。

ただし、それらは文字が多く、初心者には読みにくい。会計を勉強しようと意気込んでも、読みにくい決算書を前に挫折してしまう人も多いのではないでしょうか。そこで初心者にも取っ付きやすい資料として私が勧めたいのが、会社が決算説明会で利用する「決算説明会資料」です。

では会計初心者は決算説明会資料をどう読み込んでいけばいいのか。ここでその方法を伝授しましょう。

各企業のKPIを確認する

多くの上場企業は、ホームページのIR(投資家向け広報)情報に決算説明会資料を掲載しています。同資料の特徴は、グラフなどビジュアル的な要素が多く、一目で会社の業績の傾向などがわかること。もちろん、決算情報がすべて網羅されているわけではありませんが、まず決算説明会資料を読み、必要に応じて決算短信や有報にあたればいいと思います。

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