東大野球部が「4対3」での勝利を目指す理由

勝利の方程式、それは「頭脳プレー」ではない

例えば守備なら取れるアウトを一つひとつ積み重ねていく。1点を取られてもいい場面なら、無理な前進守備を敷かず、2点目を防ぐことを考える。当たり前のこと、できることを確実にやればいい。ファインプレーが求められるわけではない。

浜田監督によると、基本技術を習得するには「4つのT」という段階がある。

①Trace お手本をマネする

②Training 何度も繰り返す

③Think 自分に合うかどうか、なぜ合う(合わない)のか考える

④Teach 人(後輩)に教える

「練習でできても、試合でできないようでは基本を習得したとはいえない。それはまだ自分だけがこなしている段階。後輩に教えられるようになって、はじめて基本が習得できたと言えます」(浜田監督)

「頭脳プレー」では力の差を埋められない

東大が勝つためには、頭脳という強みを生かして相手の裏をかくような奇襲戦法を仕掛けるのが近道だと思いがちだ。だが、浜田監督の取り組みは極めてオーソドックスである。

東大は2010年秋の早大2回戦から2015年春の立大2回戦まで94連敗を喫していた。連敗中にはファンやOBから「東大は相手に真っ向からぶつかっても勝てないんだから、頭脳を生かして戦ったらどうか」というアドバイスをもらうことが多かったという。しかし、現在のチームで主将を務める遊撃手の山田大成(教育学部4年・桐朋高校出身)は自分の体験からこの考え方を否定する。

「1年の春、リーグ戦で初めて出場した試合(早大1回戦)で、早稲田の中村さん(奨吾、現千葉ロッテ)が左中間へソロ本塁打を打ったんです。それをベンチから見ていて、スイングの速さなどに、まったく違うスポーツをやっているんじゃないかというくらいの衝撃を受けました。その差は頭脳プレーで埋まるようなものではありません。その試合でリーグワースト記録を更新する71連敗を喫したのですが、がっぷり四つに組んで勝負できるようにならないと連敗は止まらないと思いました」

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