東大野球部が「4対3」での勝利を目指す理由 勝利の方程式、それは「頭脳プレー」ではない

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東大のエースで150キロ左腕として今秋のドラフト候補にもあがる宮台康平(法学部4年・湘南高校出身)は投手陣がやるべきことをこう語る。

「頭脳を使って相手打者と駆け引きできるのは、すべての球種を思い通りに投げられるいい投手。僕らはTVゲームでならそれができますが、自分の体ではできません(笑)。まずは直球をしっかり投げること。そのうえで変化球で緩急をつけるなど、できることを増やしていかなければなりません」

平均得点は2点、「+2点」をどう実現するか

打線がいかにして4点を取るか。過去5シーズンの1試合あたりの得点は1.98点。「より力強く振る」ことを突きつめてきた成果で、2点を奪えるところまではきている。あと2点を上積みするためには、機動力を使った攻撃がポイントとなる。そこで、この夏は確実に走者を進める打撃や送りバント、走者三塁から内野ゴロで1点を奪う走塁の練習などを繰り返してきた。

今季のリーグ戦が開幕する前、浜田監督は「4対3での勝利は見えてきました。選手たちの能力としても、それが可能なチームだと思っています」と手応えを口にしていた。

練習を総括する浜田一志監督。浜田監督は「自滅せずに相手のミスを誘えるかどうかが、勝つ上でポイントになる」と話す(撮影:尾形文繁)

9月9日、リーグ戦が開幕。東大はこの春59年ぶりに大学日本一になった立大を相手に4対1、8対1と連敗した。昨秋のリーグ戦から数えて16連敗中だ。それでも彼らはブレずに「4対3」を目指す。

勝つかどうかだけではなく、どう勝つか。これからの東大の戦いぶりを見守りたい。

佐伯 要 スポーツライター

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さえき かなめ / Kaname Saeki

和歌山県出身。スポーツメーカー勤務を経て、フリーライターとして活動。『週刊ベースボール』『大学野球』『ベースボール・クリニック』(以上ベースボール・マガジン社)などの野球専門誌を中心に執筆。

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