東大野球部が「4対3」での勝利を目指す理由 勝利の方程式、それは「頭脳プレー」ではない

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「ロースコアの接戦が大前提。1対0で勝つこともあるかもしれませんが、そこを目指してチーム作りをするのは現実的ではありません。『4対3』がウチが勝つスコアだと想定しています」

2015年春以降に東大が勝った6試合のスコアを見てみよう。

  • 2015年春 法大1回戦 6対4
  • 2015年秋 法大1回戦 5対2
  • 2016年春 明大2回戦 3対2
                    立大1回戦 4対0
                    法大1回戦 4対1
  • 2016年秋 立大1回戦 4対3

同点もしくは僅差で終盤を迎えた試合が多く、4試合が4点以上取り、3点以内に抑える接戦での勝利である。

四死球による自滅を避ける

投手を含めた守りで、3点以内に抑える。指揮官はまず守備を鍛えた。例えば2015年の春季キャンプでは内野のボール回しで「10周55秒以内」などタイムを設定。それをクリアするまで1時間でも2時間でも繰り返すなど、基礎を徹底してきた。

その成果で過去5シーズンの1試合あたりの失策は0.84個と、守備の不安はなくなった。今、失点を少なくする鍵を握るのは投手陣。与える四死球を減らすことにある。

これは東大に限ったことではないが、四死球が多いシーズンは失点(自責点)も多い。東大がシーズンに3勝を挙げた2016年春は1試合あたりに与えた四死球が5.95個で、チーム防御率は6.27だった。全敗した今春は1試合あたり9.32個もの四死球を与え、チーム防御率は8.58。先頭打者に四球を与え、失策が絡んで進塁を許し、適時打を打たれる――そんな悪循環が目立った。

そのため夏の間、東大の投手陣は「一死三塁の状況を作られたら負け」という緊張感を持ちながら、四球で無駄な走者を出さず、試合をコントロールできるように練習してきた。

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