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キャリア・教育 #スタンフォードの研究室から

さすが世界トップ層?上から目線の学生たち 米国トップスクールの教員はどんな「教育」をしているか?(後編)

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  • 小島 武仁 経済学者、東京大学大学院経済学研究科教授
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世界で2番目に知る、という喜び

僕は高校の頃、ブラスバンドをやっていたのだが、みんなの演奏がきれいにひとつにまとまったときの気持ち良さは素晴らしい(僕は部でいちばん下手だったのであんまりそういう経験ができる機会はなかったけど、それはまた別の話だ)。

自分と他人が気持ちを共有している感じ、とでも言えばいいのか。僕自身が興味を持っている問題について、ほかの人も問題意識を共有し、考えているという実感。

大げさに言ってみるならば、教えたり教えられたりには、自分という小さな枠を超え、なにか「真理」のようなものを通じて他人と心をつなげる、そんなところもあると思うのだ。

さらに、自分の研究アイデアを持ってくる学生は、その過程で僕の知らなかったことを発見して教えてくれていることになる。

ついさっきまで世界で誰も知らなかったことを、世界で2番目に知る高揚感(世界で1番に知るのも素晴らしい気分だけれど、そのためには当然自分で研究しなきゃいけない)。そして、自分の教えたことが学生に影響を与えて、(たぶん)成長する助けになったのだという充実感。

研究者の研究活動はかなり孤独で、はたして自分がやっていることに何か意味があるのかとか不安になったりすることがよくある。

そんな中で、自分の学生が育つというのは数少ない「形のある」成果だ。どんなに神経や体力をすり減しても、やっぱり学生を教えるのにハマるのは、そのせいかもしれない。うん、我ながら自分勝手な理由だ。

そんな教師にいつもお付き合いいただいて、学生さんたちには感謝です。

 

※次回の更新をお楽しみに!
 

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