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キャリア・教育 #スタンフォードの研究室から

さすが世界トップ層?上から目線の学生たち 米国トップスクールの教員はどんな「教育」をしているか?(後編)

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  • 小島 武仁 経済学者、東京大学大学院経済学研究科教授
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褒めるときにもさすがの「上から目線」

いちばんよくある苦情はいまだに英語だ(アメリカに引っ越してもう10年経ったのに……)。

中でもキツかったのは「こいつ何言っているか全然わかんない。パブリックスピーキングの授業をとって出直してくるべきだ」と書かれたときだ。

いくらなんでも、そこまで言わなくてもいいじゃないか……。

まあ確かに、毎年何百万円も授業料を払っているのに、何を言っているかわからない授業を聞かされたら腹が立つ、というのはわからないでもない。

そんなときは「君はまだ若いから経験がないだろうけど、社会人になったらヒドい訛りの英語をしゃべる人とも付き合わなきゃいけないときがくるよ。そのときにきっと役に立つから頑張りたまえ」と考えることにしている。もちろん学生にはいわずに、心の中で自分を慰めているだけなのだけど。

英語関連では、こんなコメントもあった。「このニイちゃん、はじめはマジで何いってるか全然わけわかんないと思ってたけど、よくよく我慢して聞いてみたら、実はいいことを言っているっぽかったよ!」

……褒められてるらしいのだけど、とにかく上から目線の学生が多い!

著者撮影:時々、仲良くなった学生がおみやげを持ってきてくれる。オフィスの本棚に飾っている

こんなことばかり書くと、教員たちはみな、授業を苦痛に思っていると思われるかもしれない。

もし教員が嫌々教えているなら、学生たちはそんな授業を受ける価値があるのだろうか?

大学教育というのは、そんなに夢のない業界なのだろうか?

幸いにも、そんなことはない。

ちょっと気恥ずかしいことを書きますが、学生すごくかわいいです。授業も楽しいです。気力と体力をすり減らすけど、そこから得られる充実感にはすごいものがある。

(なので、前編を読んで授業を受けたくなくなった学生さんたち、気を取り直して授業に出てくださいね。

正直に言って、授業をしは始めた頃は、ただただ怖かったし、今でも授業をするのはストレスだ。けれども、やっていくうちにいろいろと楽しいことや嬉しいことが起こった。いちばん初めにはっきり喜びを感じたのはスタンフォードに来た年に教えた大学院の授業だっただろうか。

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【ちなみに学生からはファーストネームで呼ばれている】

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