頭のいい子に共通する小学校時代の過ごし方

東大生を育てる親はどのように振る舞うのか

伊沢 拓司さん 
農学生命科学研究科修士1年生 埼玉県出身

僕は幼い頃から“はまり体質”。幼稚園時代は、休日の朝に母親を起こしてレンタルビデオ店に連れていってもらい、電車のビデオを借りまくる。ビデオを見たら、今度は父親に電車の見える場所に連れていってもらい、えんえんと電車を見る。そんなことを繰り返していた記憶があります。

小学校に上がったら、サッカーにはまりました。ちょうど日韓ワールドカップの時期と重なり、寝ても冷めてもサッカーばっかり。朝起きてサッカーの総集編ビデオを見てから学校に行き、授業が始まる前に友達と校庭でサッカーして、放課後ももちろんサッカー。週に2回はサッカースクールに通い、雑誌や本も読み漁りました。

ワールドカップに出ている国の選手だけでなくて、出ていない国の選手まで調べて、友達と知識比べ。クイズではどれぐらい知識があるかどうかが勝負ですが、知識をためる楽しさを知ったのは、この小学校時代のサッカーが最初ですね。

父親がヨーロッパチームの練習会を見られるイベントのチケットをもらってきたときには、世界の一流選手が間近で見られると興奮しました。地元にチームがあったのも大きかったですね。地元、日本、世界、と層になっているところにも魅力に感じていました。父親はサッカーよりも野球派でしたが、サッカーのビデオや本を買ってきてくれたり、試合観戦にも連れていってくれたりしましたね。

好きなことでストラテジーが身に付く

水上さんが「無限に本を読んでいた」、伊沢さんが「サッカー選手について調べ尽くした」というように、東大生の多くが子ども時代に、「何かに熱中する体験」を持っています。たとえば、水上さんのように本を読むのが好きな子であれば、最初は簡単な本から手に取るでしょうが、だんだんと本の面白さを知って、次から次へと読みたくなる。読めない漢字や難しい言葉があっても、大人に聞いたり自分で調べたりして、どんどん読んでいくでしょう。

拙著『日本一勉強が好きな頭脳 東大脳の育て方』でも詳しく解説していますが、自分の好奇心の赴くままに好きなことに熱中しているうちに、わからないことは誰に聞けばいいのか、どうやって調べればいいのかというストラテジー(戦略)が身に付きます。これがのちの勉強や仕事に大いに役立つのです。

また、さまざまな好奇心によって楽しいと感じることが多ければ多いほど、神経伝達物質のひとつであるドーパミンが放出されて、脳を大いに刺激します。私が所属する東北大学加齢医学研究所では、子どもからお年寄りまで多くの脳画像を所有しており、多くの研究成果が発表されています。

そもそも好きでやっているわけですから、本人は楽しくて仕方ない。水上さんもただ本が好きだから読んでいただけで、国語の勉強をしているという意識はまったくなかったのでしょう。

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