京都の老舗和菓子屋を救った若女将の超才覚 創業200年の伝統を現代へ通用するワザに
実際、「おみくじしるこ」だけでは数億円の借金を返せるものではない。そこでさらに、由依子さんは新たなアイデアを思いつく。
それは1年を通して、あまり代わり映えしなかった和菓子になお一層の四季折々の変化をつけること。これも山下さんから猛反対をされながらも、なんとか頼み込んで商品化までこぎつけると、これまた若い女性を中心に大ヒットする。
季節ごとに変わる商品を目当てに、1年を通してお客さんが来るようになった。夏のこの時期は「銀河」「夏祭り」、秋は「山の幸」など涼しげで色鮮やかな期間限定の品々が、インスタグラム映えする話題の和菓子として若い女性たちの支持を得た。
他にも次々とヒット商品を連発し、業績が大幅に回復。今から1年半前には店舗を全面改装するまでになった。
ベテラン職人も若女将を認めた!
由依子さんとバトルを繰り広げてきたベテラン職人・山下さんご本人に話を聞いてみると、「アイデアがズバ抜けているんですよ。僕らが思いつかないようなことを、ばっと言うてくれんですね。認めざるを得ませんよね」(山下さん)
そう、今、2人の関係は
「また喧嘩せぇいうとんか?(笑)」(山下さん)
「仲いいですよね。めっちゃ怖かったですけど…」(由依子さん)
「根はやさしいやろ」(山下さん)
「根はやさしいけど、それが分かるまでが怖かった」(由依子さん)
「その時は素直になれへんかってん。由依子さんのおかげで凄く変わったし。むっちゃ救われたね!」(山下さん)
お互いを認め合い、笑顔で話し合える仲に。由依子さんの頑張りで復活した亀屋良長。今ではご主人の良和さんも脳腫瘍から元気に復帰した。200年以上続く老舗の和菓子屋さんは、女将とご主人の二人三脚で今もなお、進化し続けている。
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