千葉県一宮で「波乗り」を始める人たちの素顔 どんな人がサーフィンを始めるのか?
岡野さんの生徒の最高齢は76歳のおじいさん。その方は、65歳くらいの時からスクールに通い始めたという。普段は埼玉県で会社を経営する立場で、月に一度、泊まりで一宮町を訪れ、岡野さんのレッスンを受けにくる。
76歳ともなれば、技術の向上が目的というわけでもない。岡野さんのサポートを受けながらひたすら波乗りを楽しむのだ。そして、小一時間程度で波乗りを終えて、そのあとはビーチに上がって岡野さんといろんな話をする。岡野さんからはサーファーたちの話や海の話を、そしておじいさんからは人生の話を。岡野さん自身も毎回その時間を楽しみにしているという。
おじいさんはレッスンを終えて着替えた後、缶ビールを買ってまた砂浜にひとりで向かい、日が暮れるまでビールを飲みながら海の向こうをずっと見つめているのだそうだ。そして日が暮れたらペンションに帰っていく。
ささやかな、手に届く幸福
一宮町でサーフィンを始めた人々。彼らが手にしたのは、紛れもない「手に届く幸福」だ。誰しもが、今の生活の延長線上で「ありたい自分」や「欲しい世界」とつながっている。そして、その場所には「波を楽しむ」というささやかな動機さえあればたどり着けるものだということを彼らは教えてくれているのだ。
(取材・文:島崎昭光、撮影:PAK OK SUN)
住:299-4303 千葉県長生郡一宮町東浪見7428-3
問:0475-42-4626
営:月~金 8:00~18:00 土・日・祝 6:00~19:00
休:年中無休
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