「ギリギリOK」の線引きで議論は好転する 「ありきたり意見」しか出ない会議が変わる
ここで大事なのは、表面的なアイデアの良しあしではなく、「それぞれの案の裏には、どのようなコンセプトがあるのか?」という点です。
アイデアの裏側には、それぞれが考えた「狙い」があります。たとえばこの場合、Cさんの「会社に本棚を置く」というアイデアの裏には、「本を持ってくることで、その人の仕事以外の『オフ』の趣味や関心事がわかると、話しかけやすくなる」という「狙い」があったとします。
よって、Cさんのコンセプトは「人となりを知る」ということであって、本棚というアイデアはあくまで手法にすぎません。
「コンセプト」レベルで選ぶ
今回のテーマが「社員の団結力を高める」ということでしたので、そのような視点で考えると、ボーリングやBBQに行くだけよりも、Cさんの案のほうが効果的かもしれません。さらに言えば、「本棚を置く」以外にも、人となりがわかるアイデアはまだまだありそうです。
Cさんのコンセプトを生かしつつ、あらためて、もう一度このコンセプトの元で考えてみると、「過去の失敗スピーチコンテスト」「小学校の卒業文集披露」など、さまざまなアイデアを拡散することができます。しかも、「人となりを知る」という中心点が共有されているので、どれだけ拡散しても速やかに収束することができます。
このように、アイデアを表面的に選ぶのではなく、「コンセプト」レベルで選ぶことが、効率的に拡散するためのコツです。
具体的なアイデアと、抽象的なコンセプトを行き来する発想法は、博報堂の打ち合わせの基本的なルールです。特に、1回目のアイデア出しの打ち合わせで重要なのは、アイデアそのものではなく、「コンセプトを決める」という共通認識を持って行うことです。ですので、話す側も聞く側も、「アイデア」と「コンセプト」を分けて考えながら会話をするようにしているのです。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら