「つぶやきながら歩く」と不調が消えるワケ 「ウォーキング」×「客観視」が心に効く

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歩行禅のすべてのステップに共通しているのが、禅における「調身・調息・調心」の原則です。これは、全身の姿勢(=身)を整え、呼吸(=息)を整えると、精神(=心)が゙整ってくるという考え方です。

この「身息心」は、坐禅を組むときに限らず、日常生活のなかで心をリセットしたいときや精神を安定させたいときも“使える”テクニックです。

みなさんも、普段の生活を振り返ってみてください。目の前のネガティブな要素にとらわれているとき、知らず知らずのうちに姿勢はゆがみ、目線は下に向き、呼吸は浅くなっているはずです。そんなときには、まず姿勢(=身)を正し、次に呼吸(=息)を深く整えることで、心がリセットできます。必ず役立つライフハックのひとつですから、ぜひ覚えておいてください。

いざ、歩行禅に挑戦してみよう

それではいよいよ、各ステップの具体的なやり方をご説明しましょう。

【ステップ1】懺悔の行――「ごめんなさい」を唱えながら歩く

「身息心」に則り背筋を伸ばし、息を整えたら、正しい姿勢と深い呼吸をキープしながらウォーキングを開始します。その最中に、自分がこれまでに犯してしまった罪や過ち、反省すべきことを思いつくかぎり挙げて、心のなかで「ごめんなさい、ごめんなさい」と懴悔しながら歩きましょう。

具体的なエピソードが思い浮かばない場合は、「知らないうちに、誰かに嫌な思いをさせていないかな?」「何か悪いことや、後ろめたいことをしなかったかな?」と自問自答を重ねてください。

【ステップ2】感謝の行――「ありがとう」を唱えながら歩く

ステップ1と同様に「身息心」を意識してウォーキングをしながら、今度は感謝に思いをめぐらせます。自分を取り巻くあらゆる人、あらゆるご縁、あらゆる環境に対して「ありがとうございます」と心のなかで唱え、感謝したいことをできるかぎりたくさん思い浮かべながら歩いてください。

感謝の対象は、身近な家族や仲間でも、世の中を支えてくれている見知らぬ人々の存在でも、はたまた、太陽や空気や水といった物理的存在でも何でもかまいません。

ステップ1、2とも、歩く距離や、おこなう時間帯、場所などは各自の自由です。たとえば、朝の通勤時に【懴悔の行】を、夜の帰宅時に【感謝の行】を実践するなど、自分が最も習慣化しやすいように生活の“時間割”のなかに組み込むとよいでしょう。

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