「電波少年の土屋P」60歳で映画初挑戦の狙い なぜいま「欽ちゃん」なのか

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土屋さんは、この、最初から映画を撮るために撮影したわけではなく、結果として“撮れてしまった”貴重な映像を映画として編集することを思いつき、本来の仕事の合間にコツコツと編集を進めた。それが、今回の映画なのだ。

テレビに対する愛

萩本さんはテレビのことしか考えていない!?(画像:©2017日本テレビ放送網)

『We Love Television?』という映画の題名は、土屋さんが膨大な映像を編集する過程でつけたものだが、そこに込めた思いを話してもらった。

「ボクには2人の師匠がいます。1人は、20代後半で、初めて携わったバラエティ番組『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』の総合演出をやっていたテリー伊藤さん。テリーさんとの仕事は、気に入らないことがあれば灰皿が飛んでくるし、それはもう大変でした。会議では、放送作家の先生が書いてきたものを、“面白い””つまらない”と瞬時に判別していく。先生方が書いたものをなんでそんなに”軽く”扱えるのかと、あるとき聞いてみました。すると、作家っていうのは、会議の1時間前に喫茶店で思いついたことをパッと書くんだ。俺は、この番組のことを1日10時間、1週間、毎日考えている。才能うんぬんの問題じゃない。そもそも、俺とあいつらじゃ、考えている量がまったく違う。つまらないと言って捨ててるのは、俺が、とっくに思いついてたアイデアなんだ、と言うんです」

この「考える量」というのは、土屋さんにとって、その後、仕事をするうえでの1つのバイブルになったという。そして、もう1人の師匠が萩本さんだ。

「萩本さんは、“笑い”というものを科学的に説明できる人。笑いには、フリ、オチ、フォローという要素があり、オチの後、周りにいる連中が、フォローとして何秒間笑わないと、観客席に笑いが起きないというようなことを説明してくれました」

一見、2人の師匠はまったくタイプが異なるように思えるが、土屋さんは2人には、ある種の“狂気”とも思える、全身全霊を捧げた“テレビに対する狂わんばかりの愛”があり、それこそが、人に見てもらうものをつくる“表現者”のあるべき姿ではないかと話す。

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