「VALU」の個人価値売買が熱視線を浴びる本質

不正取引発生で全否定するのは間違いだ

VALUの開発において運営者・開発者たちは金融庁などとも合法性を確認しながら、ルールやシステムを整備してきた。VALUは将来のグローバル展開を狙い特定の通貨に依存しないビットコイン(BTC)を共通する仮想通貨として採用しているが、現時点ではVALUそのものに仮想通貨と各国通貨の交換機能はなく、外部の仮想通貨交換サービスが提供するウォレットサービスを通じてキャッシュのイン/アウトを行う仕組みだ。

筆者のVALUのページ

筆者もVALUを始めてみた(valu.is/masakazuhonda/data)。5万VAを発行する設定で始め、初値は0.00058BTC(約277円)だった。売り出し時の時価総額はVALU側が決めるが、発行VA数は最大5万VAまでの間で選ぶことができた。当時の時価総額は29BTC(約1400万円)だった。執筆時点では1VAの単価が1986円で時価総額は約9980万円になっている。もちろん、BTCの価値は変動するため、つねにその価格は変化している。

試しに順次62VAを放出してみたが、筆者自身以外のVA保有者の間で売買が成立するケースが発生し始めている。SNSなどで顕著な活動をしている人物などの場合、毎日1VAずつなど少量を値幅制限の上限いっぱい(1.5倍)で放出し、それをSNSで宣伝することで時価総額を高めるなどゲーム感覚で利用している方もいる。

しかし、時価総額はあくまでも帳簿上のもの。実際に資金を得ようとするならばまとまった量のVAを放出せねばならず、いずれは適正価格に落ち着くことになる。なにより、本来は個人の将来への投資なのだから、いたずらに時価総額を上げることに大きな意味はない。

投機目的での利用は禁止

またVALUの運営者は短期的な売買差益を得る投機目的での利用を禁止している。VA売買時、利用者は「投機目的での売買ではない」ことを確認してからでなければ取引できないよう制限が加えられている。

典型的な利用者像がないかと、たまたま見掛けた江本貴明さんという方のVA(https://valu.is/takaakiemoto)を、筆者自身のVAを放出した資金で購入してみた。この方はシンガー・ソングライターで似顔絵アーティストという人物。具体的に取り組みたい目標を掲げており、優待として似顔絵を描くといった具体案を挙げていること。さらに活動報告を頻繁に行っていることを確認して少量のVAを保有した。

彼のようなアーティストや社会貢献活動に興味のある個人が、まさにVALUの典型的な利用者像といえるだろう。”何かの目的を達成するために頑張る人”と、その頑張りを支援するフォロワーとの関係が、VALUの購入という形で明確となり、誰がどのぐらい支援してくれているのか可視化されることで、VALUを売り出している側のモチベーション向上といったプラス要素も想像できる。

しかし、一方で利用者の善意に依存している部分もあり、VALUそのものの認知やそれを取り巻くルールが整備されるまでの間、問題が引き起こされるケースも考えられる。8月18日には、大きな問題が発生し、一般紙も報じたのでご存じの読者は多いはずだ。

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