例を挙げてみる。
・私たちが当社の社員として最も大切だと考えていることは、「この人と一緒に仕事をしてみたい」、「この人の言うことであれば耳を傾けてみよう」というように、お客様やパートナーから信頼され、必要とされるような人間的魅力や誠実さ、責任感を持った人材であるということです。(三菱商事株式会社)
・他の価値観を尊重し、意見に謙虚に耳を傾け、周囲を巻き込んで仕事を進めていくことを、グローバルな舞台で実行できる人。(トヨタ自動車株式会社)
世界に目を向ければ、マッキンゼーやゴールドマン・サックスといった企業が「リーダーシップ養成」のスクールやインターンシップを開催している。また、京都大学も2007年から「次世代ビジネスリーダー育成プログラム」という名前でインターンシップを行うなど、教育機関でも「リーダー人材の育成」が急務となっている。・他の価値観を尊重し、意見に謙虚に耳を傾け、周囲を巻き込んで仕事を進めていくことを、グローバルな舞台で実行できる人。(トヨタ自動車株式会社)
なぜ、このようにリーダーシップを発揮できる人材になることが求められる時代になったのか。それには理由がある。超一流企業にとって、グローバル競争に勝ち抜いていくための差別化(強み)の源泉が
「戦略から、組織へ、組織から人へ」と変化してきているからだ。
「戦略論」が盛んに語られ、積極的に企業に導入されはじめたのは1990年前後。競合他社に対しての優位性を探り、創造することを求められた1980年代の後半には、多くのコンサルタントにとってバイブルとなった「企業参謀」を大前研一氏が上梓している。
バブルが崩壊し、「終身雇用、年功序列」に代表される日本的経営に限界が見え、東西の冷戦が終結し、世界がわくわくするようなグローバルコンペティションの時代に入った時期だ。
企業戦略に関する書籍が数多く出版され、やがて多くの企業で「戦略」という言葉が当たり前のように語られるようになった、1990年代後半。この頃には、「組織」の重要性が叫ばれるようになった。
一流企業の時代の変化への対応スピードは本当に速い。10年もたてば、基本的な戦略論はビジネスパースンにとって共通用語となり、言葉を知るだけでなく、多くの企業で効果的に使いこなすようになる。どの企業も「戦略論」が共通のテクノロジーとなったとき、次に語られたのは「戦略」を効果的に実行する「組織」の重要性だ。
戦略があるのは当たり前、大事なのはその戦略を実現できるかどうか。戦略を効果的に実現できる組織を整えましょう、というフェイズにはいった。
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